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恵比寿に集結した“悪質スカウト”をまとめて摘発した警視庁の本当の狙い

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月23日 9時26分

恵比寿に集結した“悪質スカウト”をまとめて摘発した警視庁の本当の狙い

夜ごと「スカウト合戦」が繰り広げられていた(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「恵比寿にはきれいな女の子がたくさんいて、スカウトしやすい」

 こんな情報をもとに都内各地からスカウトが集結し、夜ごと、「スカウト合戦」を繰り広げていた。

 東京都渋谷区の「JR恵比寿駅西口」付近で女性をキャバクラなどに勧誘したとして、警視庁生活安全特別捜査隊は19日、自営業の山本達也(33)、介護士の浅田貫志(34)、無職の小林一穂(24)、飲食店従業員の門脇隼人(24)らスカウト活動をしていた6容疑者を都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。

 スカウトは昨年8~11月の午後7時から9時ごろ、恵比寿駅西口の歩道や改札前コンコースで通りかかった女性に声をかけ、キャバクラやラウンジで働くよう、しつこく迫った。

「6人は同じスカウトグループに所属していたわけではなく、恵比寿に行けば女性が引っかかると聞き、わざわざ遠征に来ていた。6人は居住地も仕事もバラバラで、それぞれ別の日時に恵比寿を訪れ、女性をスカウトしていた。多い日には10人以上のスカウトが改札付近に立ち、駅から出てきた女性に片っ端から声をかけていた。山本などは100メートル以上にわたって女性につきまとい、『時給5000円だけど、どう』と口説き続けていた」(捜査事情通)

■…駅改札口前でやりたい放題

 現場付近では2023年末ごろからスカウト行為が横行。「スカウトに声をかけられて怖い思いをした」といった相談や通報が相次いでいた。スカウトたちのお目当ては、キャバクラ店からもらえる「スカウトバック」といわれる紹介料だった。

 浅田容疑者は介護の仕事のかたわら働いていたキャバクラからスカウトを頼まれ、月10万円のバイト代に加え、紹介料で5万~10万円の報酬があった。山本容疑者の場合、スカウトバックは普通のキャバクラだと5万~10万円、高級キャバクラになると20万~30万円に跳ね上がった。門脇容疑者も成功報酬として店からボーナスが出ることになっていたそうだが、「成功したことがないので、いくらもらえるか分からない」と供述しているという。

「新宿・歌舞伎町、六本木、原宿などと違い、恵比寿は声をかけられる女性側も慣れていないので、つい立ち止まって話を聞いていたようです。実際、小林は恵比寿で20人ほどの女性をスカウトし、キャバクラ店からキックバックとして月額50万~60万円の報酬を得ていた。通常、この手の犯罪を摘発する場合、現行犯で逮捕するのですが、それぞれ別の事案をまとめて通常逮捕としたのは、スカウトや店側に現行犯でなくても逮捕できるというメッセージを送るため。スカウト活動を抑止する狙いがある」(捜査事情通)

 スカウトの間では、恵比寿駅周辺が最新の「スカウトスポット」になっていたようだ。

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