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卓球女子代表新監督は「平野美宇の育ての親」 性格に合わせたオーダーメード指導でスター選手続々輩出

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月23日 9時26分

卓球女子代表新監督は「平野美宇の育ての親」 性格に合わせたオーダーメード指導でスター選手続々輩出

次期日本代表監督の男子・岸川聖也氏(右)と女子・中沢鋭氏(C)共同通信社

 卓球日本代表女子の監督に中沢鋭氏(45)が就任した。

 中国・河北省出身で、ミキハウス卓球部や日本卓球協会JOCエリートアカデミーの女子監督を歴任してきた日本女子卓球指導者のエキスパート。いわゆる「中国卓球」の基礎を選手に教え込み、エリートアカデミー女子監督時代には、パリ五輪銀メダリストの平野美宇(24)、木原美悠(20)、長崎美柚(22)らの担当コーチを務めた。

 中沢氏の育成術は、選手の性格に合わせた「オーダーメード指導」。エリートアカデミー生はナショナルトレーニングセンターで寮生活をしていることが多く、指導者は練習時間以外にも選手たちとコミュニケーションを取る機会が多い。そこで選手のキャラクターを把握し、指導に生かしてきたという。

 かつて、中沢氏は日刊ゲンダイのインタビューで平野についてこう語っていた。

「リオ五輪に出られず、プレースタイルをガラリと変えようと思っていた。ただ、自分のものにするには時間が短すぎて、選考会で初戦負けしてしまった。その失敗があってから、平野には『もし変えたら完全にダメになるかも』という怖さがあった。でも、『若いうちにいろんな挑戦をした方がいい』と説得した。僕がコーチになって2カ月くらいの頃、長いこと話をしましたね。結果が出るまで言い続けるしかないので、粘り強く説明した。スピードやボールの回転量は他の女子選手に比べて優れているので、形になると思った」

 コートを離れても「指導」は終わらない。当時17歳で多感な時期だった平野にも容赦はしない。

「食生活に関しては、僕は『太っている』とかハッキリ言います。部屋に戻ったら(何をしているか)見えないし、お菓子が好きだから完璧ではないんだけど、本人も気を付けているみたい。自主的に僕の部屋にお菓子を持ってきて『私はもう食べないから、中沢さん持っていて』と言ってきたこともある。まあ、どうせ後で買って食べているだろうけど(笑)」

 信頼関係を築いてきたからこその会話。現在の代表クラスの選手にとっては「第二の父」とも呼べる存在だ。

  ◇  ◇  ◇

 それでも日本の卓球界は安泰とは言い難い。伊藤美誠がパリ五輪で代表漏れしたように、異常事態が起きているからだ。伊藤は、いったいなぜ転落したのか。彼女に何が起きていたのかを紐解くと、日本卓球界のいびつな構造が見えてくる。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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