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生まれつきの「眼瞼下垂」は視力の発達へ影響…子どものうちに治療を【一生見える目をつくる】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月23日 9時26分

生まれつきの「眼瞼下垂」は視力の発達へ影響…子どものうちに治療を【一生見える目をつくる】

子どものうちに治療を(写真はイメージ)

【一生見える目をつくる】#47

 眼瞼下垂には、生まれつきの疾患である「先天性眼瞼下垂」の人もいます。

 先天性眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる主な筋肉である眼瞼挙筋の働きが弱かったり、欠損や機能していない発達異常であったりなど、なんらかの先天的な要因で起こります。

 片眼性と両眼性があり、80%は片眼性、片方のまぶたで生じます。眼瞼挙筋の発達異常ですので、上まぶたが上がりにくいだけではなく、下がりも悪くなる。まぶたを閉じた状態でも白目が見えていることが多いです。左右で目の大きさが異なり、ほかに、ものを見るときにあごを上げたり、眉を極端に上げてものを見ることもよくあります。

 先天性眼瞼下垂のままで成長すると、目に光が入らないため、視力の発達に影響してしまうリスクがあります。乱視や弱視の原因になることも。視野が狭いので生活に影響も起きやすくなります。

 上まぶたが瞳孔を覆ってしまう前に、できるだけ早く、子どものうちに手術を受けて治療する必要があります。

 先天性眼瞼下垂の場合、多くは「前頭筋吊り上げ術」「上眼瞼吊り上げ術」で手術を行います。前頭筋は、前頭部から眉の上、鼻の根元に縦に広がる筋肉のこと。自分の体から筋膜を眼瞼に移植して吊り上げる、という手術内容です。

 太腿からの移植が多いですが、側頭筋膜やゴアテックスなどの人工素材、ナイロン糸などを使用することもあります。手術は全身麻酔で行い、数日間入院。

 先天性眼瞼下垂が軽度の場合は「挙筋前転術」という術式で行うこともあり、これは眼瞼挙筋を縫い縮めて短縮する方法です。

 ここまでは先天性眼瞼下垂の場合の治療方法を書きました。一方で、眼瞼下垂には、加齢や長期間のハードコンタクトレンズ使用などが原因の眼瞼下垂による後天性眼瞼下垂もあります。こちらの治療について詳しくお話しする前に、まずは後天性眼瞼下垂の手術を検討している患者さんからよく聞かれる質問を紹介します。

「白内障と眼瞼下垂の手術はどちらを先にした方がいいですか」という質問で、それに対する私の答えは「眼瞼下垂の手術が先」です。眼瞼下垂になると上まぶたが角膜を押さえているので、乱視をつくっていることがある。ですから、白内障手術の前に眼瞼下垂の手術をして、元々の乱視も一緒に治せば、良い見え方を長期間にわたって保つことができるのです。こちらの方が、乱視の状態も含めて視力の改善が見込めます。

(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)

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