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不整脈は前兆なく突然死も…引き金はストレス、睡眠不足、アルコール、過労【心臓外科医が教える患者のための基礎知識】#7

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月23日 9時26分

不整脈は前兆なく突然死も…引き金はストレス、睡眠不足、アルコール、過労【心臓外科医が教える患者のための基礎知識】#7

突然亡くなることもある

【心臓外科医が教える患者のための基礎知識】#7

 私は高校時代、寮に入っていました。1年生の時、ある日曜日の朝、3年生の先輩が自室のベッドで亡くなっているのが発見されました。2人部屋で、同室だったM先輩は「朝方に1回だけうめき声が聞こえた気がする」とのことで、それ以外の異変には気が付かなかったそうです。

 ヒトは突然死んでしまいます。アカシアの雨に打たれなくても、湖に浮かぶ小舟でさざ波に揺られていなくても、突然、死んでしまうことがあるのです。脳の血管が突然破綻して出血した場合は解剖すれば証明できます。後の祭りではありますが。映画「ドライブ・マイ・カー」にもそんな話が出てきます。

 ところが不整脈で突然心臓が止まったら、あとで調べようがありません。突然心臓が止まるのは「心臓」の勝手です。「ヤバイよ! ヤバイよ!」とその前兆を教えてくれる「心臓」もありますが、なにも気が付かないまま突然止まる心臓もあるのです。彼女に突然「わかれ」を切り出されたり、奥さんに突然離婚届を渡されたりするのと同じです。こう説明しても「何か前触れはあるんでしょ。必ず」と、信心を曲げない人がいます。誰でも「そんなことは起こっては困る」は「そんなことは起こらないはずだ」、そして「起こるはずなどない」と思い込んでしまうものです。

 しかし、いつか地震や火山の噴火も起こるでしょうし、戦争も起こるでしょう。何かが起こっていてもそれを前兆ととらえるか無視するか。後で考えてみると「あれを兆候ととらえるべきだったんだなぁ……」。

 第3次世界大戦が既に始まっているかどうかの議論は置いておいて、この死に至る不整脈とは、心室性のものです。心房細動とは違います。分厚い筋肉でできた心室のある部分が突然、全体の心臓の動きに逆らって勝手なタイミングで収縮する、というものです。

 どこのクラスにも先生が言うことを「ナニ言ってんだジジイ、オレは言われたことの逆行くぜ!」といった反骨精神に満たされた傑物がいたりします。それと同じでその不満分子がいつ暴発するのか、そこには条件があると考えられます。

 大ざっぱに言えば、心臓を悪条件にさらすことです。ストレス、睡眠不足、アルコール、過労です。一般に、公務員という仕事はそれだけで大きなストレスだと思います。いつも使っているパソコンを突然上司に取り上げられ、プライベートな記録一切が他人にさらされることもあるようですから。そんなことをされたら誰しも生きた心地はしません! きっと「心臓」も「この人かわいそう! もうそろそろ止まってあげようかな……」などと考えるかもしれません。公務員の皆さん! 気を付けましょう!

(南渕明宏/昭和大教授)

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