「栄養価強化卵」は卵黄や殻の色と栄養価は無関係…栄養成分表示が大事【時間栄養学的「気になる食品」】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月23日 9時26分
鶏の餌に魚粉やビタミンなどを加える
【時間栄養学的「気になる食品」】
栄養価強化卵
◇ ◇ ◇
栄養価強化卵は、特定の栄養素(DHA、ビタミンE、オメガ3脂肪酸、ビタミンD、カルシウムなど)が通常の卵より多く含まれるように飼育された卵です。これらは、鶏の餌に魚粉や藻類由来のDHA、ビタミンE、炭酸カルシウムなどを加えることで生産されており、健康をサポートする食品として注目されています。
よく、卵の色が濃いと栄養価が高いように話されていますが、実は卵黄の色は鶏が食べた餌に含まれる色素成分に由来し、トウモロコシやパプリカパウダーを多く含む餌を与えると濃いオレンジ色になることがあります。そのため、卵黄の色の濃淡が栄養価や健康効果に直接影響を与えるわけではありません。
また、卵の殻の色も鶏の品種によって決まり、白色や褐色の卵でも、同じ飼料を与えられた場合は栄養価に大きな違いは見られないという報告があります。そのため、栄養価を判断する際には、見た目よりも成分表示を確認することが重要になります。
栄養価強化卵の健康効果については、さまざまな研究報告があります。DHA強化卵を摂取することで血中DHA濃度が上昇し、脳の健康維持や認知機能の向上に寄与する可能性が示されています。また、ビタミンEが強化された卵は抗酸化作用を通じて細胞の酸化ストレスを軽減し、ビタミンD強化卵は骨密度の維持や骨粗しょう症リスクの低下に役立つとされます。さらに、ヨウ素やセレンが強化された卵は、甲状腺機能の改善や免疫機能の向上に寄与すると期待されています。
時間栄養学の観点から考えると、朝食に摂取することでDHAやビタミンEなどの脂溶性栄養素を効率よく吸収でき、日中の活動に必要なエネルギーを補給する効果が期待できます。また、朝食に卵を取り入れることで、タンパク質が体内時計に働きかけ、日中の代謝を整える可能性が指摘されています。一方、夜間は脂質の代謝が低下する時間帯なので、脂質が多い卵を多量に摂取することは避けたほうがよいと考えられています。
健康的な食生活を送るためには、食品を選ぶ際に成分表示や生産方法を確認し、自身の健康目標に合ったものを選ぶことが大切ですね。ぜひ、見かけた際にはお手に取ってみてはいかがでしょうか?
(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)
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