イチローがアジア人初の米野球殿堂入りも「満票」に1票足りず…足を引っ張ったのは“オールドスクール”
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月24日 9時26分
イチロー(C)共同通信社
米国野球殿堂は日本時間22日、今年の殿堂入り表彰者を発表し、マリナーズなどでプレーしたイチロー(51)が選出された。アジア人初の快挙とはいえ、事前の予想では2019年のマリアノ・リベラ(ヤンキース)に次ぐ史上2人目の満票での選出が有力視されながら、得票率は99.7%。投票資格のある全米野球記者協会会員394人のうち、1人だけがイチローに票を入れなかった。
これには米メディアも大騒ぎで、ニューヨーク・ポストのベテラン記者ジョン・ヘイマン氏は自身のSNSに「バカ野郎は出てこい」と、投票しなかった記者への怒りをあらわにした。
イチローはメジャー通算2653試合で打率.311、117本塁打、780打点、509盗塁。渡米1年目の01年に首位打者(.350)と盗塁王(56個)のタイトルを獲得し、ア・リーグMVPと新人王を同時受賞し、米球界を席巻した。04年の年間262安打は今もシーズン最多安打として破られていない。デビューから10年連続200安打以上とゴールドグラブ賞を受賞するなど、走攻守三拍子揃ったイチローが100%の支持を得られなかったのはなぜなのか。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。
「全盛期のイチローとそりが合わなかったシアトルの記者か、へそ曲がり記者が投票を見送ったのかもしれませんが、考えられる別の理由としては長打、特に一発が少なかった(05年の15本がキャリアハイ)ことではないか。主将としてヤンキースの黄金時代を牽引したジーターが20年に満票を逃したのも本塁打数(1999年の24本が最多)が原因だとみられている。米国には依然としてオールドスクールの記者が少なからず存在し、派手な一発が飛び交うビッグボールを好む記者がいますからね」
ジーターはシーズン最多安打を2度(99年、12年)記録しているものの、打撃タイトルとは無縁だった。
「イチローはマグワイア(カージナルス)、ソーサ(カブス)、ボンズ(ジャイアンツ)らが禁止薬物である筋肉増強剤を使用して本塁打を量産した『ステロイド全盛期』に彗星のごとく現れ、技術と機動力で全米のファンを魅了した。当時から単打狙いのイチローの打撃を批判する記者は一定数いたが、今回の投票ではオールドスクールに足を引っ張られたのでしょう」とは前出の友成氏だ。
◇ ◇ ◇
ところで、イチローと大谷翔平はどちらも天才として知られるが、2人には「決定的な差異」がある。いったいどういうことか。何が、どう違うのか。●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。
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