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トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月24日 11時14分

トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

トランプ米大統領の“ファーストバディー”、イーロン・マスク氏(C)ロイター

 早くも亀裂か。20日に行われたトランプ大統領の就任式からわずか2日後、“最側近”のイーロン・マスク氏がトランプ大統領肝いりのAIインフラ整備事業に疑義を呈して物議を醸している。

〈彼らはカネを持っていない〉──。マスク氏は22日、自身のXに投稿。やり玉に挙げたのは、トランプ大統領が21日に発表して「史上最大」と胸を張ったAIインフラ整備への投資計画だ。「ソフトバンクグループ(SBG)」や米「オープンAI」が新会社「スターゲート」を設立し、AI開発向けのデータセンターに今後4年間で最大5000億ドル(約78兆円)を投じるという超巨大プロジェクトである。

 この計画に、マスク氏はX上で〈SBGが確保した資金は100億ドルを大きく下回る。確かな筋から聞いた話だ〉と反応。オープンAIのサム・アルトマンCEOから〈間違っている〉と反論されると、今度は〈サムは詐欺師〉とコキ下ろした。

 もともとマスク氏はオープンAIの共同創業者だったが、経営方針をめぐる対立により離脱。非営利として立ち上げたはずのオープンAIが営利化しているとして、同社に対し「契約違反」で損害賠償などを求めている。

トランプ政権の運営に支障は?

 マスク氏がスターゲート計画に噛みついたのも、袂を分かったかつての同志への単なる当てつけなのか。トランプ大統領が「莫大な投資を呼び込む」と期待を寄せるだけに、マスク氏の言動は政権内部の不協和音にも聞こえる。

 上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)が言う。

「トランプ氏としてはマスク氏とケンカしてもしょうがないよねと考えている節があり、トランプ政権の運営には何ら支障はないでしょう。トランプ氏はシンプルに『米国への莫大な投資は良いよね』との立場で、話が大きければ大きいほどいい。対してマスク氏は『真面目に捉えていいのか?』と投げかけているように見える。大風呂敷を広げるトランプ氏に現実問題を突き付けるマスク氏と、役割分担している印象を受けます。マスク氏はトランプ氏の『ファーストレディー』ならぬ『ファーストバディー(相棒)』と言われる存在なので、トランプ政権では米国への投資計画をマスク氏がチェックする状況になるかもしれません。トランプ氏にとってマスク氏は“使える人”なだけに、投資話ごときでケンカしてはもったいないぐらいに考えているのではないか」

 ビジネスライクな関係でも案外、結束は固いのかもしれない。

  ◇  ◇  ◇

 MAGAが殺到し「異様だった」というトランプ大統領就任式の様子は、関連記事【現地ルポ】で詳しく報じている。

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