スバル初のストロングHV「クロストレックS:HEV」が絶妙にウケているワケ(小沢コージ/自動車ジャーナリスト)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月26日 9時26分
ぶっちゃけ、新型S:HEVは個性的なフラット4を生かすために産まれた“変形トヨタ式ハイブリッド”とも言えるのだ。
イマドキ珍しい「燃費より走り」を取ったストロングHV
そこにはメリットとデメリットがあり、トヨタ式な分、燃費は良くなるが、フラット4の燃費が良くないので総合燃費はほどほどになる。
一方縦置きフラット4レイアウトによりボディ重量バランスはよくなり、低重心化も図れるため、走りが良くなる。エンジンをHV化してもスバルらしい走り味は失わないのだ。
さらに言うと、縦置きがゆえに古典的でタフなメカ式4WDを作ることができ、事実クロストレックS:HEVはすべてフルタイム4WD仕様だ。
加えて燃費では他社HVに敵わないので、S:HEVは思い切った手に出た。排気量を2.5ℓに上げ、コンパクトSUVには似合わない「速くて楽しいHV」を作り上げたのだ。事実、システム出力は不明だがエンジン単体で260ps&209Nm、モーター単体で約120ps&270Nmだからシステムトルクは間違いなく300Nm超え。
まさしくイマドキ珍しい「燃費より走り」を取ったストロングHV。ちなみに価格は383万円からと安くないが、スバルを心から愛し、もうちょい燃費が良ければ……と考えてたファンにとっては安いもの。
世の中、燃費だけに生きるにあらず! 個性派が多数派のマネしても決して勝てない。美点を伸ばし、欠点を補い、いかに個性を発揮するか? なのだ。
(小沢コージ/自動車ジャーナリスト)
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