美辞麗句まみれの大谷報道に覚える“しんみり感”…作家が疑問視「テレビ局は大谷批判NG?」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月29日 9時26分
大谷翔平と愛犬のデコピン(C)ロイター/USA TODAY Sports
「英語のスピーチが完璧だった」「専門家が絶賛」「ファンの心を動かした」
日本時間26日、ドジャースの大谷翔平(30)がビデオで行った英語のスピーチが話題になっている。
マンハッタンのホテルで昨季の各賞受賞者を表彰した「アワードディナー」に寄せたもので、真美子夫人やロスの山火事に対応する消防士らへの感謝などを語った。
それはそれで称賛されてしかるべきかもしれないが、中にはちょっと度を越しているというか、鼻につくものもある。日米両メディアによる大谷報道には「礼儀正しい」「奥さんが美人」「グラウンドに落ちているゴミを拾った」などと、本業の野球以外に関する美辞麗句が並ぶケースがあまりにも多いからだ。
昨年11月、エッセイストの酒井順子氏はNHKラジオのサンデーエッセーでこう言った。
「野球の本場において他を圧倒する成績を収め、人格は高潔で頭が良く、容姿や態度も爽やか。大金を手にしても下品な使い方はせず、結婚相手も好感度が高いということで、非の打ちどころがないのです。が、その“非の打ちどころのなさ”が、私のような者をしんみりとさせます」
この「しんみり感」は大谷本人でなく、報じるメディアに向けられた違和感ではないか。野球ファンの作家・吉川潮氏はこう言う。
「しんみり感というか違和感を抱くのは、本人でなく報じるテレビやスポーツメディアに対してでしょう。大谷だって決して完璧な人間ではない。身近な元通訳に大金を奪われたことにしても、カネの管理くらい本人がしっかりしろよという指摘があってしかるべき。なのに悪いのはすべて通訳ですからね。特にテレビ局は大谷の悪口はNGワードになっているんじゃないかとすら思う。大谷の話をしている評論家たちにしても、野球の専門家というより単なるファンのよう。メディアが大谷のことを悪く言ったり、否定的に報じることがはばかられるような雰囲気をつくり出していることが問題ですよ。僕は大谷の試合中継は見るけど、その後に編集したニュースは見ません。大谷のいい人報道には辟易しているひとりですから」
大谷報道にげんなりしているのは、ひとりやふたりじゃない。
◇ ◇ ◇
ところで、いまや本場米国でメジャーリーグの顔となった大谷だが、2028年ロス五輪に本人は乗り気でも「出場できない可能性」が濃厚だという。いったいなぜか。どうして大谷は大舞台に立てないのか。その「3つの理由」とは。
●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。
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