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トーリーパインズの厳しい戦いを見て悪条件を大歓迎したジャンボ尾崎の「格言」を思い出した(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月29日 9時26分

トーリーパインズの厳しい戦いを見て悪条件を大歓迎したジャンボ尾崎の「格言」を思い出した(羽川豊)

松山は最終日76と崩れて32位(C)共同通信社

 前週の男子米ゴルフ「ファーマーズ・インシュアランス・オープン」の会場はカリフォルニア州サンディエゴのトーリーパインズGCサウスコース。太平洋に面した美しいコースは7765ヤード(パー72)と距離が長く、打ち上げ、打ち下ろしのホールが多い。内陸や海から強い風も吹きます。

 今年は気温も低く、2日目に冷たい強風が吹き荒れ、約1時間半の中断があり、最終日は2日目とは逆の強い南風が選手を苦しめました。粘りのある長いラフに、グリーンは球の転がりが不安定なポアナ芝。ここまで「悪条件」が揃えば、H・イングリッシュの優勝スコアが通算8アンダー(松山英樹は通算1オーバー32位)と伸びなかったのも納得です。何しろ最終日に60台で回ったのは70人中たったの2人。ツアー未勝利のS・スティーブンスが15位発進で「68」をマークし、通算7アンダー2位に入りました。

 そこで思い出したのがジャンボ(尾崎)の教えです。ジャンボは悪条件や難しいコースになると優勝のチャンスが広がることを喜んでいました。

「条件が悪ければみんな崩れるからな。その時、じっと我慢していればいい。3日目が終わって優勝の目がなくても最終日に60台(のスコア)を出せば、必ず上位に浮上する。それは次の試合につながるんだ」

 コースセッティングが難しく、時に「選手いじめ」とまで言われる日本オープンでジャンボが5勝を挙げているのは、そんな気持ちで戦っていたからですが、悪条件の中ではスコアが伸びないことは誰でもわかります。

 では、「我慢」とは何か。それは欲との戦いです。

 470ヤードのパー4。ドライバーショットは左の深いラフへ。ボールはすっぽり芝に隠れています。ピンまでは190ヤード。フェアウエーからなら7番か6番アイアンで届くとしても、ここはピッチング(PW)でフェアウエーに出すのが賢明です。「でも、グリーン近くまで持っていけば、チップインも狙えるし、入らなくてもパーセーブは楽だ」と考え、8番で打つ。当然、PWよりインパクト時の抵抗は強く、手首や腕への衝撃も大きい。ミスショットのリスクも高く、パットのタッチにも影響します。そんなことは百も承知のプロでも、試合になれば、距離やスコアの欲に勝てないのです。

 かくいう私もそうでしたし、ジャンボだって若い頃は同じ失敗を繰り返したはずです。

 技術レベルの違いはあっても、「欲との戦い」は「100切り」ゴルファーも同じ。

 アマチュアでよく見るのはこんな人です。ドライバーが「チョロ」で100ヤードも飛ばず、ミスを挽回しようと2打目にスプーン(3W)を持つ。平均スコアが100前後のアベレージゴルファーが地面から3Wでナイスショットできる確率は高くない。ここでもミスすれば次は5Wを持ってミスの連鎖です。とにかくグリーンの近くへとしか考えていない。

「100を切れない」とお嘆きの方、一度欲を捨てるゴルフをしてみませんか。

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