「針刺し事故」を起こさないために患者側も注意が必要【クスリ社会を正しく暮らす】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月29日 9時26分
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【クスリ社会を正しく暮らす】
先日、糖尿病の治療でインスリンの自己注射をされている患者さんに「注射針の廃棄」について質問されました。インスリンの注射針は多くの場合、調剤された病院や保険薬局で回収しています。ですので、廃棄の際には病院や保険薬局に持っていくのが一般的です。
ここでひとつ注意していただきたいのは、注射針を医療機関に持っていく際には、金属の入れ物やペットボトルなど必ず“硬い入れ物”に入れて持っていくように心がけてもらいたいということです。ポリ袋などに入れると針が突き出てしまうケースがあるのです。
私も以前「針刺し事故」を起こしてしまいました。患者さんに使用した針などが医療従事者に刺さってしまう事故のことです。こうした針刺し事故の報告は多く、日本国内で年間40万~60万件ほど起こっているというデータもあります。特に採血や注射などで針を日常的に扱う看護師は、針刺し事故に遭遇する機会も多いのです。
針刺し事故は、医療機関において重大な事故です。使用済みの注射針には血液や体液が付着しているため、血液を介するHIV、B型肝炎、C型肝炎などの感染症に罹患する可能性があるからです。針を使用した患者さんがHIVだとわかった場合は、即座にHIV治療薬の予防内服が行われますし、B型肝炎だとわかった際にも、予防のためにグロブリン製剤の注射が行われます。
ちなみに私の針刺し事故では、針を使用した患者さんに明らかな感染症はなかったうえ、私自身も普段から定期的に血液検査を行っていて、特に感染症に罹患することもなく過ごしています。感染症は「うつされる」ということを考えがちですが、自身の感染症を「うつしてしまわない」よう配慮することも大切なのです。
(荒川隆之/薬剤師)
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