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綱とり出直しの琴桜に必要な「脱・頭でっかち」…初場所の足を引っ張ったのは考えすぎる悪い癖

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月30日 9時26分

綱とり出直しの琴桜に必要な「脱・頭でっかち」…初場所の足を引っ張ったのは考えすぎる悪い癖

琴桜(C)日刊ゲンダイ

 光あれば影あり、だ。

 横綱昇進が決定した大関豊昇龍(25)。きょう29日、協会からの使者を迎え、最高位に立つ。

 一方、1月場所で引き立て役になってしまったのが、同じ大関の琴桜(27)と大の里(24)だ。

 大の里は10勝5敗で2ケタ勝ったものの、先場所は9勝6敗。2回優勝した昨年から、勢いがやや落ちたともっぱらだが、協会内では現状を不安視する声はほとんどないという。

「他の力士もようやく大の里対策に本腰を入れるようになりましたからね。そもそも、まだ入門3年目。苦戦するのも不思議ではなく、むしろこれからの力士ですから」(若手親方)

 しかし、綱とりに挑みながら2日目から5連敗するなど、5勝10敗に終わった琴桜はそうではない。3大関の中で最年長の27歳。大関になったのは昨年だが、来場所は初めてカド番を迎える。足踏みが続くと機を逸しかねない。

 師匠で父の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は場所中、「本人と話をしたが、『組んでからこうしなきゃと思っても体が動かない』と話していた。無意識でも体が動くよう稽古をしなきゃいけない」と語っていた。

 要は稽古不足、ということだが、琴桜にはメンタルのもろさを指摘する声が少なくない。八角理事長(元横綱北勝海)は昨年9月場所中に琴桜が宇良に負けた相撲を「相手を見過ぎている。考え過ぎ」と話していた。

 今場所もほとんどの相撲で後手に回っていた。九重審判長(元大関千代大海)も「体と心がバラバラ」と話していたほど。綱とりの重圧もあったにせよ、考えすぎる悪癖が足を引っ張っているようなのだ。

 昨年末のインタビューでも、それをうかがわせる言葉があった。本紙記者が「(11月場所の優勝は)親方衆が『前に出て攻める相撲』を称賛していた」と振った後だ。

「何が良い部分かは本場所によって違う。その時の状態の良し悪しもある。(中略)その時その時、自分のどの部分で勝負できるか。漠然と相撲を取るだけじゃなくて、自分の勝負どころを見極める。相手の良さを潰して、勝負できるところで勝負しなければいけない」

 相撲は軍配が返ったら「待った」のない一発勝負。あれこれ考え込んで後手に回るくらいなら、前に出て攻めた方が好結果につながるケースが圧倒的に多いのも確かだ。実際、琴桜は先場所、宇良に雪辱を果たした時も「考えるより目の前の一番を」と話していた。

 一から出直しとなった綱とりのカギは「脱・頭でっかち」となりそうだ。

  ◇  ◇  ◇

横綱昇進と言えば、先場所限りで土俵を降りた貴景勝は、過去に2場所連続で「優勝に準ずる成績、優勝」しながら横綱になれなかった。いったいなぜか。貴乃花の元弟子だからなのか。日本相撲協会・八角理事長を直撃すると、意外な答えが返ってきた。

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