1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

家系ラーメンに大手資本が増えている理由…「町田商店」の親会社は東証プライム上場企業

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月30日 9時26分

家系ラーメンに大手資本が増えている理由…「町田商店」の親会社は東証プライム上場企業

町田商店(都内)/(C)日刊ゲンダイ

 家系ラーメンは豚骨醤油ラーメンのジャンルの一つ。太いストレート麺に、チャーシューと海苔、ホウレンソウなどのトッピングが特徴。1974年に横浜市で創業した「吉村家」が元祖で、系列店で修業し開業した店舗が「家系」と呼ばれるようになった。以前は個人店が主だったが、2010年以降は大手資本が運営する家系ラーメン店、いわゆる「資本系」の家系が勢力を拡大している。

 代表格が「町田商店」など複数のラーメンブランドを運営するギフトホールディングス(HD)だ。同社は08年に東京都町田市に1号店を設立。18年に東証マザーズに上場。20年に国内直営店は100店舗になり、同年に東証1部(現プライム)に市場変更。コロナ禍でも出店は拡大し、24年10月末時点で直営店は223店舗。ギフトHDが食材などを卸す加盟店は「プロデュース店」と呼ばれ、ロイヤルティーはゼロ。24年10月期時点で国内540店舗を展開する。

 ギフトHDは上場後は出店ペースを加速。麺・餃子の製造会社をM&Aで取得したほか、各地に工場を新設し、加盟店への卸売り体制を整えた。

 資本系躍進の背景には、ライスと合う家系の濃厚なスープやトッピングが近年の消費者に受けたといわれるが、家系と資本系は鶏と卵の関係だ。

「家系ラーメンは資本系の台頭によって認知度が向上したといえます。コンビニやスーパーで売られるカップ麺やチルド麺も人気。ラーメン業界では家系は『博多豚骨ラーメン』や『札幌味噌ラーメン』のようにジャンルの一つとして捉えられるようになり、ブームを超えて一般化しました」(ラーメンライター・井手隊長氏)

 家系人気にあやかろうとしてか、ギフトHDのプロデュース店は増加。

「新規出店だけでなく、業界全体が冷え込んだコロナ禍以降は、既存ラーメン店や居酒屋からの業態転換も多い」(飲食店経営をサポートする「ふんどし」担当者)

 不採算店を閉鎖し、人気の家系ラーメンに鞍替えしているわけだ。

 資本系の「壱角家」は14年2月に1号店をオープン。運営元はスタンダード市場上場の「ガーデン」だ。

 同社の前身であるマック社は14年に「東京チカラめし」、15年に「神戸らんぷ亭」を買収後、両者を壱角家に業態転換して都市部の好立地を押さえた。直営店の出店を拡大し、首都圏を中心に現時点で124店舗を展開する。

 実は壱角家はスープや麺などの主要材料をギフトHD傘下の企業から仕入れている。競合を避けるため、新規出店に際して両者は事前協議を行う。

「本来の家系ラーメンは2つの寸胴に大量のガラを入れて、店で炊くのが基本。手間もかかる。一方で資本系は工場で作ったスープを店舗に配送している。店側のオペレーションは元祖より楽で、店舗展開しやすい」(業界関係者)

 作り方が違うため、資本系を否定するコアな家系ファンもいるが、家系を一般化させた功績は否定できないだろう。

 餃子の王将や日高屋など、ラーメン業界には以前から上場している大手が存在する。豚骨ラーメンの一風堂(力の源HD)が17年に上場するなど後続も相次ぐ。

 大手の占有率が低いラーメン業界では、新たな上場企業が生まれる余地は十分ある。

(山口伸/ライター)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください