バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月30日 11時32分
中日の本拠地、バンテリンドーム(C)共同通信社
歴代監督の恨み節が聞こえてきそうだ。
中日の本拠地・バンテリンドームの外野フェンス前に、2026年から“ホームランテラス席”が設置されることになった。中堅122メートル、両翼100メートルと広く、さらにフェンスの高さが4.8メートルもあることから、プロ野球の本拠地としては最も本塁打の出にくい球場とされてきた。
実際、昨季の中日のチーム本塁打数はリーグ4位の68本、23年は最少の71本でトップの巨人(164本)に倍以上の差をつけられた。得点力不足がチームの長年の課題となり、オフになるたびに本拠地の改修を要望した立浪和義前監督をはじめ、過去の首脳陣の口からは「ホームランテラスがあれば……」と漏れるのが常だった。
「そのたびに、球団から改修費の問題を持ち出され、却下されてきた経緯があります。立浪監督は“なんで自分のときにやってくれなかったのか”という心境でしょうが、ようやく実現の運びとなって、間違いなくチーム本塁打数は増える。野手は大歓迎ですが、それ以上に喜んでいるのがスカウト陣だと思いますよ」
中日OBがそう言って続ける。
「チームの課題がはっきりしているわけだから、スカウトもアマチュアの強打者を重点的に調査する。これは、と思う高校や大学、社会人のスラッガーがいても、スカウトが挨拶に行くと所属先の監督や関係者から、『中日さんは本拠地がねえ』と敬遠されるケースが多々あったのです。アマの指導者は、当然ですが教え子がより活躍できる環境を望むし、選手本人だってプロ入り後の成績、つまり年俸に影響するわけだから、投手有利の本拠地はできれば避けたいのが本音。本拠地がスカウト活動の足かせになっていたのです」
本塁打増と集客増を見込んでの“ホームランテラス”だが、ドラフト戦略にもプラスをもたらしそうだ。
◇ ◇ ◇
中日といえば、小笠原慎之助のナショナルズ入りが決まり大きな注目を集めた。6球団以上からオファーが届いたほどの人気ぶりだったとか。日本ではタイトルとは無縁だったのに、どこをどう、なぜこれだけ評価されていたのか。争奪戦の舞台裏とはーー。
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