フジテレビは日枝久氏を切れないのか? 取締役会で「辞任」に言及なし、トップ居座り決定
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月31日 11時58分
フジサンケイグループ代表で取締役相談役の日枝久氏(C)日刊ゲンダイ
フジテレビが30日に行った定例取締役会の後、新社長の清水賢治氏(64)の囲み取材で記者団から驚きの声があがった。元SMAP中居正広氏(52)の女性トラブルへの対応で批判の集まる中、その遠因とみられるフジテレビの風土をつくったフジサンケイグループ代表で取締役相談役の日枝久氏(87)の出方が注目されるなか、辞任することなくトップに居座り続けることが明らかになったからだ。
清水社長は取締役会への日枝氏の出席は認めつつ「(日枝氏から)発言はあったが発言内容や詳細は控えさせてもらいます」とし、3月末ともみられている第三者調査委員会の報告を待って全役員が出処進退を判断するとの見方を示しただけにとどまった。経営刷新小委員会設置を提言した社外取締役7人はその一丁目一番地として、脱日枝体制を打ち出すことを求めている。にもかかわらず日枝支配を拒絶できないところに社内からは落胆の声があがり、長くフジテレビで仕事をする関係者はこう言った。
「日枝さん1人残して、経営陣は全員辞めたら?」
清水社長は先のやり直し会見で港浩一氏(72)が社長を、嘉納修治氏(74)が会長を辞任したことは大きいとして、こう言った。
「まずはこの事案を調査し原因を含めてどういうことがあったのかを検証していく。そのうえで再発防止、そして再生へとつなげていく。3月末を目途にするとともに自分たちで何ができるか、何をするのか、ひとつずつやっていくことが必要」
会長を退いてなお、院政を敷く日枝相談役
そんな悠長なことを言っている場合なのだろうか。日枝氏は40年以上、フジの取締役ポストに座り、現在も人事まで口を出して統制を続けているとされる。23日の社員説明会でも港氏らが辞意を伝えたところ「こんなことで負けるのか、おまえたちは」などと一喝したと報じられた。
この日は中居氏の女性トラブルへの関与が報じられる編成幹部が人事局付へと異動となったが、そうしたトカゲの尻尾切りでトカゲ本体である日枝氏は逃げおおせるとでも思っているのだろうか。
社員説明会では、当の社員たちから日枝体制の一掃なくして会社の立て直しはないとの声があがっていたという。日枝氏の存在こそ「諸悪の根源」との認識があるからに違いない。
「グループの局長以上の人事は日枝さんの承認が不可欠で、役員となるとすべて日枝さんの意向に沿って決められてきた。それが20年以上続いていて、2017年に会長を退いて相談役になってなお、院政を敷いてグループ全体を掌握しているんです。経営陣はすべて日枝さんの子飼いのようなもので、昇進すると『日枝さんのおかげ』と感謝を口にするような幹部たちですから、この期に及んでも、その首に鈴をつけることすらできないのでしょう」
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