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尿酸値を下げる治療では「尿酸が作られにくくする」クスリが主流【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月1日 9時26分

尿酸値を下げる治療では「尿酸が作られにくくする」クスリが主流【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

プリン体の取りすぎで尿酸が増えているかも

【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

 人生長く生きていると、一度は「痛風」の発作を経験したことがあるという方もいらっしゃるでしょう。痛風はおいしいものをたくさん食べるとなりやすいと言われることもあり、比較的男性に起こりやすい病気です。主な症状としては手足の指の関節痛で、「風が吹くだけで痛い」ということで痛風という名前がついています。

 痛風の原因は尿酸です。尿酸はタンパク質の代謝物の一種で、水に溶けにくい性質をもっています。そのため、血液中の尿酸が増えてしまうと、溶けきらなくなった尿酸が結晶化(固体になった状態)して、痛みを伴う痛風という症状が生じます。

 痛風まではいかなくても、血液中の尿酸の量が多い状態のことを「高尿酸血症」といいます。前回紹介したコレステロールと同様に、尿酸をコントロールするためには生活習慣、つまり食事に注意する必要があります。特にプリン体は体内で尿酸が作られる際の材料になるため、多く摂取しないほうが良いとされています。

 食事に気をつけていても改善しない場合に、クスリが選択されます。痛風と高尿酸血症の治療としては、体内で尿酸が作られにくくするクスリ、そしてできてしまった尿酸を体の外に出すクスリがあります。多くの場合はそのどちらか一方が選択されますが、症状や尿酸の値次第では両方併用されることもあります。

 現在の主流は、体内で尿酸が作られにくくするクスリ(フェブキソスタット、トピロキソスタット)です。効果はもちろんですが、安全性が比較的高いことがその理由のひとつです。

 かつて、尿酸を体の外に出すクスリのひとつであるベンズブロマロンは、劇症肝炎という重篤な副作用が報告されました。だからといって、必ずしも危険というわけではありませんし、医療者側もそういった副作用があることを理解して十分注意しているのですが、尿酸が作られにくくするクスリには、少なくともそういった副作用がありません。

 一方で、クスリの副作用で尿酸が増えるケースもあります。利尿薬の中で名前の最後に「チアジド」と付くクスリがその代表で、高尿酸血症を起こすリスクがあり、添付文書の副作用の欄にもしっかり記載されています。病状によってはそういった利尿薬を中止できない方もいらっしゃるので、その場合には尿酸を下げるクスリが併用されることもあります。

 エビを肴にビールを飲むのが大好きなそこのアナタ! プリン体の取りすぎで体内の尿酸が増えているかもしれません。そうでなくても、生活習慣に十分に気をつけて、こまめに健康診断などを受けるようにしましょう。そんなことを言っている私も気をつけようと思いますので、一緒にがんばりましょう。

(東敬一朗/石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師)

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