今国会の主役は安住淳衆院予算委員長…コケるのか、喝采を浴びるのか
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月2日 9時26分
腕の見せどころ…(予算委員会の安住淳委員長=立憲民主党)/(C)日刊ゲンダイ
【永田町番外地】#11
国会は31日、衆院予算委員会を舞台に本格論戦が始まった。自民党は、野党が審議入りの前提としていた安倍派会計責任者の参考人招致を拒否したまま、最後は数で勝る野党が議決に持ち込み押し切った。予算委員会で招致が議決されたのは田中角栄政権下の1974年以来51年ぶりとのこと。これも、与党過半数割れの効用のひとつだが、国会審議のあり方そのものも、これまでとは大きく様変わりする。
中でも画期的なのは今国会、衆院予算委員会では一般質疑とは別に、新たに省庁ごとに専門的な質疑を行う「省庁別審査」が設けられたことだ。
「会計検査院の指摘では、令和5年度の一般会計の歳出のうち、不用額が7兆円に迫り、令和6年度への繰越金は11兆円にも上ります。つまり、政府与党の歳出見積もりが、いかにズサンだったか。ここは増税より無駄削減が先でしょう。かつて民主党政権が官僚をやり玉に挙げた事業仕分けは失敗しましたが、今度は国会の場で政府予算案の無駄を洗い出そうというのが省庁別審査の大きな役割です」
立憲民主党議員のひとりはこう言い、与党過半数割れの成果に胸を張る。守勢一方の自公政権にはさらに大きな壁もある。
周知のとおり、予算成立の最大の焦点は日本維新が求める教育無償化の扱いと、いわゆる“103万円の壁”で国民民主が要求する178万円への引き上げだ。
「教育無償化は6000億円程度で済むが、178万円の国民民主の言い値を丸のみすれば、財源論との絡みもあり、財務省は予算案の大幅修正作業を強いられ、予算成立が年度をまたぎ大幅にずれ込む。そうなれば、国民生活、日本経済に与える影響は甚大ですし、今夏の参院選で政権与党としての責任放棄が厳しく批判されます」(自民党非主流派議員)
ちなみに過去を振り返れば、自民党過半数割れで誕生した細川政権下の1994年度予算の成立は6月23日だった。
自業自得とはいえ、安倍政権以降の圧倒的な数の力を謳歌してきた自民党所属議員には頭が痛いことばかりの国会運営。
しかし、逆の見方をすれば、予算成立の大幅な遅れや省庁別審査など石破政権の“急所”がいくつも見えたとしても、攻める野党がうまく“料理”“味付け”ができなければ、与野党逆転国会はスベってしまい、国民をシラケさせるだけである。その意味で、予算委員会の安住淳委員長(立憲民主)の腕の見せどころというわけだ。コケるのか、喝采か? 今国会、主役は石破首相でも国民民主でもなく、30年ぶりの野党議員の予算委員長と言っていいだろう。
(特命記者X)
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