女じゃなくなっちゃうと号泣…フラメンコダンサーの鍜地陽子さん乳がんでの両胸全摘を振り返る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月3日 7時32分
鍛地陽子さん(C)日刊ゲンダイ
【独白 愉快な“病人”たち】
鍜地陽子さん(フラメンコダンサー/51歳)
=乳がん
◇ ◇ ◇
2021年に両胸に乳がんが見つかって、全摘手術を受けました。さらに抗がん剤、放射線、ホルモン療法という標準治療のフルコースで、今もホルモンの薬を飲み続けています。
がんは5年が一区切りとよくいわれますけど、私がかかったホルモン陽性タイプの乳がんは5年過ぎてからの再発・転移もありえるので、10年の経過観察が予定されています。
わかったきっかけは、区の乳がん検診です。2年に1回、受け続けてきて、40歳を越えたあたりから「石灰化がある」と指摘され始めました。石灰化は誰でも年齢などによって起こるものなので、「あるけど大丈夫」と言われたり、石灰化を指摘されない年もありました。でも乳がんのごく初期のステージ0は、この石灰化が増えるところから始まるのです。
再検査となったのは48歳のときでした。右胸の石灰化で引っかかり、大きな病院で診察を受けると意外にも左胸にしこりがあることが判明しました。
別の日に組織を採って調べた結果、「悪いものでした」とのことで、「左胸はステージ1の乳がん」と告げられました。全摘手術になると言われ、「女じゃなくなっちゃう」と思って号泣しました。
手術日が決まってから念のため、石灰化が気になる右胸の生検もしてもらうと、「ステージ0の乳がん」が発覚。その頃にはすっかり開き直って、「この際、カッコいい胸を作ってもらおう」と前向きな気持ちでした。
左胸の腫瘍は1センチ。術中の検査でセンチネルリンパ節への転移が2ミリと言われていました。2ミリ以上は他のリンパ節への転移の可能性が高いので乳房とともにリンパ節も切除しなければならないのですが、私の場合はギリギリのサイズだったのでリンパ節郭清は免れました。
髪の毛がザバザバ抜けた衝撃は忘れられない
ところが、術後の病理検査で2ミリだと思っていたものが4ミリで、もうひとつ微小だと思っていたものが2.2ミリだったことが判明し、抗がん剤治療をしたほうがいいという結論になりました。
「胸の次は髪か」とがっくりして、また泣きました。抗がん剤は3週間を1クールとする治療で、計4回。1回目の抗がん剤を投与したあと、2週間して髪の毛がザバザバ抜けた衝撃は忘れられません。当時、コロナワクチンも打たなければならず、めまいがして仕事もできず、見た目はオランウータンのように変わり果て、「自分にはなんの価値もない」と、さめざめ泣いて、今思えばうつになる一歩手前でした。
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