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カカオ価格高騰が追い風に…バレンタインデーはチョコそっくりな「ゴボーチェ」はいかが?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月4日 9時26分

カカオ価格高騰が追い風に…バレンタインデーはチョコそっくりな「ゴボーチェ」はいかが?

チョコに似た風味(C)日刊ゲンダイ

【仕事力がアップする経済ノート】

 2月14日バレンタインデーの期間は、日本国内で年間最もチョコレートが売れる時期だ。総務省の家計調査によると2024年のチョコレートの市場規模は約4400億円。年間で2月が最も多く1世帯当たり1カ月の支出額は1377円と、1年間の平均に比べ約3倍に急伸している。

 チョコレートの原料となるカカオ豆は西アフリカのガーナ、コートジボワールが主要産地だが、気候変動による記録的降雨や猛暑、病害で昨年冬場から供給量が大幅に減少している。

「カカオ豆の生産量不足は世界的な大きな問題となり、原料価格の著しい高騰、包材費やエネルギー価格、輸送費などの上昇は、業界の生産コストにこれまでにない負荷を与えている。前年に続き断続的に価格改定が行われ、生産金額や小売金額は大きく前年を超える結果となった」(全日本菓子協会)

 昨年4月にカカオ豆の国際相場は過去最高値に上昇後やや落ち着いたものの、年末には再び高騰、前年比2倍を超える高値が続く。チョコレートの小売価格も50グラムの板チョコが100円前後から年末には150円、中には170円という商品もある。バレンタイン前にチョコ価格の高騰が続く状況だ。

■“偶然の失敗作”から商品化

 カカオショックが止まらないなか、チョコレートの代わりとなる食品「ゴボーチェ(GOVOCE)」が注目されている。商品化したのは焙煎ごぼうの特許を持ち、ごぼう茶の販売で日本一を続ける食品メーカー「あじかん」(広島市西区・足利直純社長)。同社ヘルスフード事業部の濱田博文氏がゴボーチェの開発は「偶然の失敗作」から始まったとこう語る。

「ごぼうを使ったいろいろな商品開発に取り組む過程で、目的の商品開発がうまくいかずチョコレートっぽいものができてしまった。開発担当者の『チョコっぽくて面白いね』という遊び心が開発に取り組んだきっかけでした」

 ごぼうは食物繊維が豊富で、抗酸化作用のあるポリフェノールも多く含むことが分かっているが、さらに、「焙煎ごぼうとチョコの香りの成分が10個中8個、共通していることが広島大学との共同研究で分かりました。焙煎ごぼうを使いカカオを一切使わずチョコレートに似た風味を持つスイーツ素材“メルバード”を開発。このメルバードを用いゴボーチェの商品化へとつながりました」(前出の濱田氏)。

「ごぼう」と言われなければ分からないほど、見た目、味、食感ともまさにチョコレート。口に入れたらココアの味が広がってくる。昨年8月1日に発売開始、バレンタイン向けに12月だけで計画の3倍以上の出荷があったという。小売価格は1袋12個入りで600円(税抜き)。素材の供給減をはじめさまざまなコストが高騰するなか、代替食品の価値はますます高まる。

(ジャーナリスト・木野活明)

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