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突然母が別人になった(13)認知症について調べ、取るべき行動を探ろうとしたが…

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月5日 9時26分

突然母が別人になった(13)認知症について調べ、取るべき行動を探ろうとしたが…

母が熱を入れていたパークゴルフのトロフィー(如月サラさん提供)

 認知症と診断された直後に熱中症で倒れ入院してしまった母。退院からS認知症専門医院での診察までの10日間の空白期間を、叔母たちが順番に実家に通って面倒を見てくれることになった。

 ありがたく思いつつもコロナ禍で東京にいて熊本の実家に行くこともできず罪悪感に追い詰められた私は、せめて認知症について詳しく調べ、自分がこれから取るべき行動を探ることにした。

 まずは「認知症」とネットで検索するところから始めてみた。しかし、どのサイトを見ても認知症に関してほぼ同じ説明が書いてあり、得られる情報は実にわずかだということがわかった。

 認知症にはアルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症といったタイプがあり、最も知られているのはアルツハイマー型で、全体の約7割を占めるという。一般的に、認知症というと、記憶力の低下から始まり徐々に判断力が低下してゆくこのタイプをイメージすることが多いだろう。しかし母は認知症の中でも1~2割と少ないレビー小体型認知症と診断されており、情報もあまり得られなかった。

 次に、ネット上で個人の体験談を探して読みまくった。ここでわかったことは、たとえタイプが同じであっても、認知症の症状はさまざまだということだった。また、認知症の肉親を持つ人の体験も、置かれた状況によりまた違うのだ。母の今の状況に当てはめようとしても、何がどうなるのか想像もつかなかった。

 さらに、レビー小体型認知症の親を持つ人の体験談はほとんど見つからなかった。アルツハイマー型認知症が100年以上前から知られているのに対し、レビー小体型認知症は1995年に新しいタイプの認知症として提案された、比較的新しい疾患だからだろうか。

 論文もあれこれ調べてみたが、私が知りたいのは、レビー小体型認知症の人やその家族の生活がどう変わってゆくかという事実や実感のほうだった。そこで「Googleアラート」を利用することにした。キーワードを登録しておくと、そのキーワードが含まれる情報がウェブ上に流れた際にメールで通知してくれる機能だ。

「認知症」「レビー小体型認知症」というキーワードを登録しながら、母が認知症になったのだという思いが、少しずつ現実味を帯びていった。 (つづく)

▽如月サラ エッセイスト。東京で猫5匹と暮らす。認知症の熊本の母親を遠距離介護中。著書に父親の孤独死の顛末をつづった「父がひとりで死んでいた」。

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