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正しい「鼻呼吸」と「腹式呼吸」の方法…テロメアの保護にも役立つ【長寿研究のいまを知る 実践編】#2

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月6日 9時26分

正しい「鼻呼吸」と「腹式呼吸」の方法…テロメアの保護にも役立つ【長寿研究のいまを知る 実践編】#2

腹式呼吸で副交感神経の働きを良くする

【長寿研究のいまを知る 実践編】#2

 鼻呼吸が苦手という人は多い。その原因のひとつは鼻が口に比べて空気の出入り口が小さく、吸い込むときに空気抵抗ができるからだ。しかし、そのおかげで肺の肺胞(肺の中で吸い込んだ酸素と体内の二酸化炭素とをガス交換する組織)をより拡張し、肺のすみずみまで酸素を行き渡らせることができる。

 鼻呼吸は副鼻腔粘膜から一酸化窒素をも分泌させる。これを吸い込むことで、血管や気道が拡張して酸素を全身に運びやすくなる。さらに鼻毛や鼻粘膜により、異物や病原体を取り除き、加湿・保温した、きれいで暖かい空気を取り込める。

 メリットの多い鼻呼吸をどうすれば身につけられるのか? ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。

「鼻呼吸が苦手な人は舌の位置が下がって気道を塞いでいる可能性があります。上の前歯の真ん中の2本の真裏に舌先を当て、上にすべらせるとスポットと呼ばれる膨らみがあります。そこに舌先を当て、舌の表面全体が上あごの天井部分に吸いついている状態が正しい舌の位置(スポットポジション)です。ここに舌を置くと気道が広がり、鼻呼吸がラクになります」

 とくに中高年は加齢により筋力が衰えてくるため、舌の位置が下がり、鼻呼吸がしづらくなる。自然と口呼吸になる人は意識して舌の位置を修正したい。

「鼻呼吸のあとは、腹式呼吸を覚えましょう。肺呼吸には、胸式と腹式があります。違いは使う筋肉の違いです。呼吸をすると肺が膨らんだり縮んだりしますが、それは肺自体に筋肉が存在するからではありません。肺の周囲にある20種類以上の筋肉により動いているのです」

 胸式は主に肋骨と肋骨の間にある内外の肋間筋が動く。腹式では肺を底辺で支える横隔膜が働く。呼吸するたびに胸がふくらみ肩の位置が上下するのは胸式呼吸の特徴だ。

「腹式呼吸では横隔膜を上下に動かすことで呼吸しているので、胸式よりも胸が膨らまず少ない呼吸で多くの空気を吸うことができます。しかも、横隔膜には自律神経が多く集まっているので、ゆっくり横隔膜を緩めると副交感神経の働きが良くなり血流がアップします。脳内では幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや抗ストレスホルモンであるエンドルフィンの分泌が増えます。これらは細胞寿命の決定因子であるテロメアの保護にも役立ちます。しかも、しっかりと呼吸して胸腺の働きが良くなると、白血球の一種であるリンパ球の育成と分泌が高まり、免疫機能もアップします」

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