星野監督1年目…周囲から浮いても関係ない「今岡は変わった」と思わせたくてアップから全力だった【阪神伝説の打点王・今岡真訪 感性のチカラ】#2
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月7日 17時0分
![星野監督1年目…周囲から浮いても関係ない「今岡は変わった」と思わせたくてアップから全力だった【阪神伝説の打点王・今岡真訪 感性のチカラ】#2](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/gendainet/gendainet_1116821_0-small.jpg)
2002年のキャンプで筆者(左)を見守る星野監督(C)共同通信社
【阪神伝説の打点王・今岡真訪 感性のチカラ】#2
「好きなようにさしたるから、やってみろ」
春のキャンプイン直前、就任1年目の星野仙一監督に言われた言葉は、野村克也前監督のID野球にウンザリしていた僕にとってうれしいものだった。ただ、同時に恐怖というか、背筋に衝撃が走るものでもあった。
全ては自己責任。結果が出なければ、プロ野球選手として終わるだけ。その事実と向き合った時、恥も外聞も捨て、星野監督にアピールしないといけないと思った。
それはグラウンドに出た瞬間から始まる。朝の挨拶からウオーミングアップも声を張り上げて全力である。アップは体を起こすために軽めに行う選手が多い中、僕だけが全力。明らかに浮いていたが関係ない。キャンプで一軍の全首脳陣が揃うのはアップの時だけ。周囲に「今岡は変わった」と思わせたかった。
キャンプでは後にも先にも「野球人生で一番」というほどバットを振りまくった。キャンプ中「俺は今年、今岡に期待している。でも今年アカンかったら、あいつは終わりや」という星野監督のコメントを見た。うれしいと同時に背筋も伸びた。
そして、僕にとってのターニングポイントといえる2002年2月23日。公式戦ではない。安芸市営球場でのオープン戦の初戦である。
スタメンではなかった。つまりレギュラーではないということだ。野球人生をかけていただけにショックだったが、出番は九回裏に回ってきた。前の打者が左翼へ飛球。それをレフトが後逸し、打者走者は三塁へ。1死三塁のチャンスで打席に立つも、カウント1ボール2ストライクと追い込まれた。「ここで打たなかったらクビやな」と思ったが、西武・帆足和幸のスライダーに崩されながらも、左手で拾うことができた。打球はセンター前へ飛び、サヨナラ打となった。この瞬間、僕はガッツポーズをしていた。
たかがオープン戦。周囲には奇妙に見えただろうが、「ここで打てるかどうかで、今後の進む道が決まる」と思いつめていた。最初のオープン戦だけに、星野監督にも「やっぱりこいつは今年もダメか」と見限られてしまうかもしれない。僕にとって野球人生をかけた勝負に勝つことができ、「この1年、行けそうや」と思えたのだった。
その後のオープン戦は絶好調。開幕後もレギュラーとして打率.317、15本塁打、56打点とまずまずの成績を残すことができた。
チームはシーズン中盤まで首位争いをしたものの、ガス欠を起こした。終盤戦に入った9月、星野監督が東京の宿舎ホテルに選手、コーチ、職員全員を集め、衝撃の言葉を口にするのである。
(今岡真訪/元プロ野球選手)
◇ ◇ ◇
星野監督はいったいどんな言葉を口にしたのか。今岡氏は「意気に感じた」と振り返り、そこまで言ってくれるなら、来年は首位打者くらい取ってやろうという気になったそうだ。いったい何があったのか。
●関連記事【第3回】…も要チェックだ。
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