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日産の行く末は経営破綻か台湾企業による買収か? ホンダとの統合「破談」で気になる今後

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月7日 9時26分

日産の行く末は経営破綻か台湾企業による買収か? ホンダとの統合「破談」で気になる今後

かつて固い握手を交わしたが…(左から日産・内田誠社長とホンダ・三部敏宏社長)/(C)共同通信社

 発表からわずか1カ月余りで破談。やっぱり行き詰まった。

 昨年12月に基本合意したホンダと日産自動車の経営統合協議。実現すれば世界3位の巨大自動車グループ誕生のはずだったが、当初の共同持ち株会社方式ではなく、ホンダは日産を子会社化する案を打診。これに日産が、経営の自主性を失いかねないと反発。日産の内田誠社長が6日、経営統合協議を打ち切る意向をホンダの三部敏宏社長に伝えた。両社は近く、それぞれ取締役会を開き、統合協議に関する基本合意書の撤回を諮る予定。1カ月半にわたる統合協議は打ち切りとなる見通しだ。

 両社の統合には、協議入り発表時から危うさが付きまとっていた。自動車業界の競争が規模の大きさではなく、EV(電気自動車)技術や車載OSなどのソフトウエア開発に移行。米国や中国に後れを取る日系同士の統合は「弱者連合」そのものだった。そのうえ、自由な気質のホンダと官僚気質の日産の社風は「水と油」。さらに、日産は今期中間決算で前期比9割超という未曽有の減益に落ち込んだ。9000人の人員削減や生産能力2割削減の大リストラ策を発表せざるを得ないほどの経営不振で、ホンダによる事実上の日産救済が色濃いのに、日産の内田社長は「対等な関係」と強弁していた。

「日産にはルノーに抑えられていた頃のトラウマがあり、経営の主導権を握られることに強い抵抗感があるようです。一方、ホンダは日産の先行きが不安になったんでしょう。まもなく発表される第3四半期決算も思ったほど良くなかったのではないか。持ち株会社方式では、ホンダは日産と共倒れしかねない。トランプ米大統領の対メキシコ関税も1カ月延期になったとはいえ、この先どうなるか分からず、お荷物を抱えられる状況ではない」(経済ジャーナリスト・井上学氏)

■株式市場は思惑錯綜

 統合破談で日産は単独での生き残りを目指すことになるのか。だが、販売不振に古いEV技術ではお先真っ暗。このままでは経営破綻へまっしぐらだ。ところが、5日の株式市場では、破談報道を受け、ホンダ株だけでなく日産株も一時急上昇した。

「今後は、経産省が仲介に入るのかどうか。さすがに部品メーカーやディーラーなど関連企業が多すぎて、簡単には日産を潰せない。あとは、かねて日産買収に色気を見せてきた台湾の鴻海精密工業に買われるしか生き残る道はないんじゃないか。日産株をめぐる動きには、鴻海によるTOB(株式公開買い付け)の可能性を狙った買いが入ったとみられます」(井上学氏)

 進むも退くも、日産にはイバラの道だ。

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