敬意を込めた「タメ口」が相手の心を開かせる…親近感を抱きやすくなる
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月7日 9時26分
タメ口を上手に折り混ぜる
私事ですが、今年1月に「戦略的タメ口」(WAVE出版)という本を出版致しました。本書は、タメ口を使うことによって人間関係を向上させる方法を紹介しているのですが、以前、このコラムでもタメ口が役に立つことを説明しました。
人間関係の距離感は、心理的な話でもあります。そのため、人間の心の動きに関する知識も必要です。言葉は人間の心とつながっているため、“現代言語学の父”と呼ばれる20世紀最高の言語学者ノーム・チョムスキー(マサチューセッツ工科大学教授)も、「言語学は心理学の一部である」と明言しています。
タメ口ときくと、未熟な印象を与えてしまうのではないか……と思う方は少なくないと思います。しかし、気持ちを考慮することを忘れなければ、タメ口を使うアクションは、より豊かで微細なコミュニケーションを図ることができるツールにもなるのです。
ところ構わずタメ口で話せば、失礼な印象を与えてしまうでしょうが、上手に織り交ぜていけば、相手の心を開かせる武器にもなるわけです。
例えば、私たちは木村拓哉さんのことを、「キムタク」と親しみを込めて呼びます。「キムタク」以外にも、「松潤」(松本潤)、「たかみな」(高橋みなみ)という具合に、名字と名前の一部を組み合わせた呼び方で呼ばれる有名人はたくさんいます。有名人だけではありません。同僚や友人間でも、独特の呼称を持つ人はいるはずです。
社会心理学では、「ネーミング効果」と呼ばれているのですが、名前で呼び合うことは、相手に親近感を与え関係を深めるきっかけとなり、それはあだ名であっても変わりません。「〇〇ちゃん」「〇〇くん」と呼ぶことに抵抗があるのであれば、ネーミング効果を働かせてみる。それだけで、呼ぶ側も呼ばれる側も、“私たちだけの内輪感覚”を共有することができる効果が生まれるのです。名前ひとつをとっても、あえて崩すことで親近感を抱きやすくなるというわけです。
いきなりタメ口にシフトすることが難しいという方におすすめしたいのが、「敬語を使いながらフレンドリーに話す」という方法です。そのひとつが、言葉の語気を調整することです。語気とは、言葉の覇気や勢いのこと。発音や口を柔らかくすると、おのずと語気は弱まります。
「この件についてご意見いただけますでしょうか?」と、「この件いかがでしょうか? 何か気になることがあれば教えてくださいね」では言葉の印象はまったく違います。語気を変える、あるいは語尾に「ね」などを付け足してみる。それだけで言葉のニュアンスは大きく変わり、受け手の印象も変わるのです。
ただし、不愉快な気持ちを相手に与えてしまえば元も子もありません。言葉を崩すときに忘れてはいけないのは、誰に対しても「親しき仲にも“敬意”あり」の気持ちです。礼儀ではなく、敬意が必要。その気持ちを忘れさえしなければ、言葉を崩すことは、より豊かな人間関係を醸成してくれる一助となるはずです。
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