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「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた【阪神伝説の打点王・今岡真訪 感性のチカラ】#3

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月12日 17時0分

「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた【阪神伝説の打点王・今岡真訪 感性のチカラ】#3

2002年9月の巨人戦で抗議する星野監督(右)/(C)共同通信社

【阪神伝説の打点王・今岡真訪 感性のチカラ】#3

 星野仙一監督就任1年目の2002年。僕は野球人生をかけたオープン戦初打席でサヨナラ打を放った流れをそのままに、開幕後はレギュラーとして打率.317、15本塁打、56打点の成績を残した。

 ただ、シーズン中盤まで首位争いをしていたチームは失速。空気が緩んでいた9月、星野監督が東京の宿舎ホテルに選手、コーチ、職員を全員緊急招集し、こう言ったのだ。

「おまえら来年もここにおられると思ったら大間違いやぞ! マコト以外は全員白紙や!」

 自分の名前が出て意気に感じた。そこまで言ってくれるなら、来年は首位打者くらい取ってやろう──。星野監督はメディアには「チーム内に蔓延した“負け癖”というウイルスを一掃するのは並大抵のことではない」とコメントしていた。結局、02年は開幕7連勝を飾りながら、その後はケガ人が続出し、チームに体力がなかったことで4位に終わった。星野監督の宣言通り、球団はこの年のオフ、自由契約だけで18人、トレード、引退組を合わせると計24人、チーム全体の3分の1以上の選手を入れ替えるという過去に例のない大量リストラを敢行。入れ替わりで、金本知憲さんをFA補強し、伊良部秀輝さん、下柳剛さん、野口寿浩さんらを獲得した。

 驚いたのは、日本ハムからトレードで加入した捕手・野口さんの交換要員として坪井智哉さんを流出させたことだ。当時の阪神の人気選手だっただけに、球団の首脳もいい顔をしなかったと聞く。それでも、金本さんが入って出場機会が減るであろう坪井さんの野球人生にとってもいい話だと突っぱねたそうだから、凄まじい執念だ。

 星野監督はファン感謝デーで満員のファンに向かってこう約束した。

「悔し涙をうれし涙にかえてみせます」

 その前の中日監督時代は「鉄拳制裁」など厳しいことで有名だった。しかし、表立って目にすることはなく、僕にとって星野監督が醸し出す雰囲気は心強いものだった。人心掌握術に長けている監督と言った方が正しいかもしれない。

 ただ、あの時だけは怖かった。就任2年目の03年春のキャンプ。第2クールで足を痛め、リタイアした僕に、ついに「闘将」の強烈なカミナリが落ちたのだ。

(今岡真訪/元プロ野球選手)

  ◇  ◇  ◇

 今岡氏は「あの時だけは怖かった」と振り返っているが、どんなことが起きたのか。なんでも、激昂した星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきたそうで……。

●関連記事【第4回】…では、ことの顛末について綴られている。

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