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「一球入魂」の精神 どんな無茶ブリにも答え続ける田中要次の存在感【今週グサッときた名言珍言】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月9日 9時26分

「一球入魂」の精神 どんな無茶ブリにも答え続ける田中要次の存在感【今週グサッときた名言珍言】

田中要次(C)日刊ゲンダイ

【今週グサッときた名言珍言】

「試合に出て、1球しか球を投げられない立場ですから」
 (田中要次/フジテレビ系「ぽかぽか」1月31日放送)

  ◇  ◇  ◇

「いまだに“『あるよ』の人”だよねとか、『あるよ』って言ってって」言われるという田中要次(61)。「あるよ」とはもちろん、木村拓哉主演の月9ドラマ「HERO」(フジテレビ系)の田中演じる名物キャラクターのセリフ。バーのバーテンダーの彼は、どんなムチャな注文でも、コワモテの無愛想のまま、「あるよ」と答え、人気となった。ほとんどがワンテイクで撮っていたという撮影時の心境を野球に例えて語った言葉を今週は取り上げたい。まさに一球入魂。そのたった3文字のセリフが田中要次の代名詞となったのだ。

 異色の経歴の持ち主だ。もともとは父を早くに亡くし、自分は家を守らなければならないという意識があったため、高校卒業後すぐに地元・長野で国鉄に就職した。1987年に民営化するとJR東海の社員となり、職場が名古屋になったことで、好きだった映画館に通えるようになった。

 そのときに出会ったのが、ファンだった映画監督の山川直人だ。彼が監督するミュージックビデオに起用され、「シンデレラが舞踏会に連れて行ってもらったような気分でした。楽しかったので、もう一回、撮影現場に参加したいという気持ちが強まった」(「毎日新聞夕刊」2020年5月15日付)という。

 悩んだ末、会社を辞めて上京すると、まず照明助手として映画の世界に飛び込んだ。このとき、参加したのが竹中直人監督の「無能の人」(松竹.91年製作)だ。竹中の代わりにカメラテストでカメラの前に立つと、それを見た竹中が「面白い顔をしてるな」とエキストラに抜擢。その後もスタッフと役者を兼業していた田中は、やはり竹中が監督した映画「119」(松竹.94年製作)への出演を機に、俳優一本で生きていくことを決めたのだ。

「HERO」でブレーク後は映画・ドラマのみならず、バラエティー番組にも多数出演。元国鉄職員という経歴から「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)の「タモリ電車クラブ」の会員にもなり、「プレバト!!」(TBS系)では消しゴムハンコなどで才能を見せ、猫好きとしても有名だ。極めつきは、テレビ東京系を代表する番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズ。あの太川陽介&蛭子能収の後任に、羽田圭介と共に抜擢されたのだ。

 まさにそれは、どんなムチャ振りにも「あるよ」と答え続けたあのバーテンダーのよう。苦労人だからこその豊富な人生経験と一球入魂の精神で、田中要次は存在感を放ち続けている。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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