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3年生の巣立ちを目前に込み上げてきた嬉しさと寂しさ、実感した専大松戸の「チームの色」(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月10日 9時26分

3年生の巣立ちを目前に込み上げてきた嬉しさと寂しさ、実感した専大松戸の「チームの色」(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

青学大へ進学する中山(C)日刊ゲンダイ

【持丸修一 76歳名将の高校野球論】#56

 年が明けたと思えば、あっという間に1月が過ぎ、早くも2月に突入しました。3年生の卒業も、もう目前です。

 専大松戸の野球部は1学年約15人。卒業後も野球を続けるのは例年半数ほどです。2年時に春のセンバツ、夏の甲子園に出場した最速150キロ右腕の梅沢翔大は専大へ。内野手として主軸を担った中山凱は青学大へと進学を決め、先日入寮式を終えました。

 青学大の野球部は専大松戸以上に少数精鋭で、4学年合わせても40人少々。中山は、選手一人一人が自立し、目的意識を持って練習に励める環境に魅力を感じたようです。

 さて、こうして大学野球に挑む彼らは引退後をどのように過ごしていたのでしょうか。「引退した選手は自由を謳歌し、ハメを外しがち」と言われることもありますが、専大松戸、それも今年の3年生に関しては、まったく心配無用でした。

 最後の夏を終えた後も、彼らは学校の専用球場に足を運び、トレーニングを続けていました。授業のある日は学校からのバスに乗り、休日も電車でグラウンドへ。大学野球組だけでなく、推薦入試で別の道を選んだ3年生も、野球が好きでたまらないのでしょう。学校から決して近いとは言えない球場に、ほぼ毎日顔を出してくれました。しかも、レギュラーだった選手たちだけではなく、ベンチ入りを逃した選手たちまで。

 専大松戸は上下関係が厳しくないため、後輩に大きな顔をする選手はいません。施設を我が物顔で使うのではなく、全体練習に普通に参加し、その後は自主トレへ。紅白戦では率先して審判を務めたり、後輩の練習を手伝ったりと、積極的にサポートしてくれています。ほほ笑ましい限りです。

 受験期が大詰めを迎えており、部長やコーチたちは学業支援で忙しくしているため、3年生の存在に助けられています。本当にありがたい。そして、これほどうれしいことはありません。学校ごとに「チームの色」がありますが、これこそが専大松戸の良さなのだと、ひしひしと実感しています。

 そんな3年生たちも、梅沢や中山のようにいよいよ巣立つ時を迎えました。今になって急に、彼らの“引退”を実感し、寂しさが込み上げてきます。

 昨年は聖地の土を踏むことはかないませんでしたが、卒業生たちには野球だけに限らず、この悔しさを糧にして、次なる人生を力強く歩んでいってほしい。壁に突き当たった時は、いや、特に用事がなくても、たまにはグラウンドに顔を出してほしい。いつでも待っています。

(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

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