「頭の中に“爆弾”が…怖くて咳もできなかった」公認心理師のリズ山崎さん「脳動脈瘤」を語る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月10日 9時26分
悩んだ末、ふと思いついて、先生方にこう質問したのです。「もし先生のご家族なら手術しますか?」と。すると先生方3人とも「すると思う」とおっしゃったのです。それで踏ん切りがつき手術を決意しました。我ながらいい質問の仕方だったと自負しています(笑)。
後遺症の可能性などについての話はありましたが、もう迷いませんでした。あとは先生にお任せするしかない。自分が頑張れることは先生を信じることだけだと覚悟しました。
検査入院を経て、10月半ばから2週間入院しました。少しぜいたくをして個室にしてもらい、入院当日にハロウィーンの飾りつけをしました。普段の生活の延長でありたかったのです。パジャマ代わりにスエットを着たり、食事はベッドを下りテーブルで食べたりして、病人らしくならないようにしました。
「もう病気じゃない」という言葉は大きかった
でも、術後はさすがにひどい頭痛でした。5時間の手術が終わってから1週間は横になって寝られないほど。座った状態でいるほうがマシだったのです。深夜、頭痛で何度も目が覚めるので、いつしか冷蔵庫のおやつを食べて気を紛らわすようになりました。「夜中に痛くて目覚めたら、おやつを食べてもいい」という独自のルールを作って、深夜の頭痛を楽しみに変えました。
術後にわかったのは、瘤にさらに小さい瘤ができていたこと。破裂寸前だったのです。手術をしたことは大正解でした。
先生から「手術は終わりました。もう病気じゃないからなるべく体を動かすように」とアドバイスを受けたので、病院内をよく動き回っていました。術後5日目、朝から頭痛がして、その日の予定のお見舞いを断ろうと思ったときも、「もう病気じゃない」という先生の言葉を思い出して、予定通りお見舞いに来てくれた方と3時間もおしゃべりしました。病室に戻り鏡を見て驚いたのは自分の顔が「病人ぽく」なくなっていたこと。改めて“人は人に生かされている”と感じました。
先生が「うまくいきすぎ」というほど順調な回復で、退院後の定期的な検査も2~3年で卒業。今はクリニックで年1回MRIを撮るくらいです。
53歳で命に関わる手術をしたので、ダメ元で挑戦する気持ちが芽生えました。実際、長年やり続けていたヨガで、59歳にしてインストラクターの資格を取りましたし、60歳になって公認心理師という国家資格にチャレンジしました。
「もう病気じゃない」という先生の言葉は大きかった。「もしものことがあったらいけない」と、やめる方向の決断ばかりしていては先細りの人生になってしまいますからね。
脳動脈瘤は自覚症状がありません。私は偶然の頭痛で救われましたが、早期発見のため「脳ドック」を浸透させたいです。
(聞き手=松永詠美子)
▽リズ山崎(りず・やまざき) 1960年、神奈川県生まれ。21歳でミュージシャンを目指し渡米。ヨガと心理学に興味を持ち30歳でスピリチュアルカウンセラーに転身。35歳で帰国し、36歳から大学で心理学を学び、60歳で公認心理師(国家資格)を取得。スピリチュアルと心理学の融合メソッドを確立した。近著「成就の法則」(青春出版社)など書籍46冊のロングセラー作家。YouTubeやインスタグラムも人気。
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