フジテレビにとって“CMスポンサー撤退”より危険な「致命的リスク」とは? 企業危機管理の専門家がズバリ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月10日 9時6分
日枝久取締役相談役の進退は?(C)日刊ゲンダイ
「現在、フジテレビはガバナンスが崩壊し適切な経営判断ができない状態と見られていますから、経営刷新を行うためには具体的な処方箋が必要になってきます。それが3月を目処に公表される『第三者委員会』の調査結果であり、それにどう対応していくかにスポンサー企業は注目しています。しかしこうした状況に陥った場合、企業にとって一番のリスクは周囲のそうしたステークスホルダーではなくて、実は社員にあるんです」
企業の危機管理に詳しい危機管理コンサルタントで、一般財団法人リスクマネジメント協会顧問の白井邦芳氏はこう言った。
元SMAP中居正広氏(52)の女性トラブルを巡る一連の対応で、CMスポンサー撤退から回復の目処が立たないフジテレビ。4月以降も大幅な減収が予想されると同時に、優秀な社員の流出が続き、内部崩壊が起こるリスクに晒されているという。白井氏が解説する。
「こうした状況下では、社員が会社の上層部に対して信頼を完全に失っている状態で、すでにかなりのヘッドハンティングなどが行われ、優秀な人材を引き抜こうという動きが加速していると予想されます。第三者委の調査結果を待たずして、人材は流出し、企業としての体力が失われていく可能性がある。企業としては、かなり危険な状態にあると言わざるを得ない」
■「FNS歌謡祭 春」は中止、「27時間テレビ」も絶望的
すでにCM差し止めによる制作費の不足から、4月6日に放送予定だった同局の大型音楽番組「FNS歌謡祭 春」は制作中止、港浩一前社長の肝入りだった夏の大型特番「27時間テレビ」や同局の夏の一大イベントである「お台場冒険王」も、スポンサーが集まらず実施は絶望的と見られている。テレビ局の本業であるコンテンツ制作の現場への影響は甚大で、これでは優秀なクリエーターも続々と流出する一方だろう。
さらに影響は下請けの制作会社にも波及する可能性があり、およそ120社が加盟する「全日本テレビ番組製作社連盟」は先月30日、フジテレビに対し、番組の予算や本数の確保に加えて、休止や変更に伴う補償を求める要望書を提出している。
“兵糧攻め”に直面し内部崩壊か
一方で、「CMがゼロになっても、親会社のフジメディアHDの不動産資産は5200億円あり、フジテレビの倒産はありえない」との報道もあるが、フジテレビ単体の通期決算はこのままの状況が続けば、最終赤字となる見方は強く、予断が許されない状況は続きそうだ。
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