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トランプ大統領が日鉄買収計画めぐり「過半数出資ない」と明言…「言うべきことは言う」の石破首相のドヤ顔は何だったのか

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月10日 16時3分

トランプ大統領が日鉄買収計画めぐり「過半数出資ない」と明言…「言うべきことは言う」の石破首相のドヤ顔は何だったのか

主従関係?(C)ロイター

「おおむね成功」「ディール(取引)は求められなかったようだ」――。石破茂首相(67)とトランプ米大統領(78)による日米首脳会談後、日本国内ではこんな声が広がっていたが、一転して冷や水を浴びせられたようだ。

 トランプ氏が9日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り、日鉄が「過半数出資することはない」と明らかにしたためだ。

 買収計画に対しては、全米鉄鋼労組(USW)が反発し、バイデン前大統領が安全保障上の懸念から計画の中止を命令。トランプ氏も大統領就任前の昨年12月、SNSに《税制優遇と関税で米鉄鋼を強くする。買収を阻止する》などと投稿し、反対する考えを示していた。

 日米首脳会談でも焦点となった買収計画。トランプ氏は首脳会談後の会見で、「(日鉄は)所有するのではなく、大きな投資をすることで合意した」と説明。石破首相も9日のNHKの討論番組で、「あくまで米国の会社であり続ける」と話し、一部では「買収を投資と言い換えて計画を進めるようだ」といった楽観的な見方が出ていたが、トランプ氏が言う通り、日鉄が「過半数出資することはない」となれば状況は一変するだろう。日鉄はUSスチールの完全子会社を求め、森高弘副会長(67)も「スキームを変える選択肢はない」と明言していたからだ。

■「外に媚び、内を脅かす者は、天下の賊である」

 完全子会社ではなく、単なる資本参加であれば日鉄が出資する意味がないだろう。技術情報の流出や多額の設備投資を迫られてオシマイになりかねないからだ。

 海外進出を狙ったものの、中途半端な形で現地企業に資本参加したために失敗、撤退を余儀なくされたNTTドコモがいい例だ。

 それにしても、石破首相は一体、トランプ氏と何を約束してきたのか。

「なぜ安全保障の懸念があるのか、きちんと述べてもらわなければ、先の話にならない」「いかに同盟国であろうとも、これから先の関係に非常に重要だ」(1月6日の年頭会見)

「基本的に民と民の話だが、政府として言うべきタイミングで言うべきことを言う」(1月8日収録のBSテレ東番組)

 石破首相は買収計画に反対姿勢を示す米大統領についてこう言っていたはず。「いかに同盟国であろうとも、言うべきことを言う」という言葉を貫いたのであれば、トランプ氏の「日鉄の過半数出資はない」という発言には至らないのではないか。

 いずれにしても日鉄は完全子会社化を前提に手続きを進めてきただけに、部分出資などになれば、計画変更は避けられないだろう。石破首相は何の成果も得られなかったにもかかわらず、ドヤ顔で帰国してきたという評価にもなりかねない。

 「外に媚び、内を脅かす者は、天下の賊である」(江戸時代の思想家・吉田松陰)

  ◇  ◇  ◇

 注目された石破、トランプ両首脳会談。●関連記事【さらに読む】で《トランプ大統領が表明 USスチール問題「買収ではなく投資」の今後…日本製鉄に妙案はあるのか?》【もっと読む】で《日米首脳会談まさかの“成功”に自民「反石破派」意気消沈…トランプ大統領への“ヨイショ”作戦が奏功か》を取り上げている。

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