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鳥インフルのパンデミックがやってくる? トランプ新政権の対応で米国に不安広がる(シェリーめぐみ/在米ジャーナリスト)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月12日 9時26分

鳥インフルのパンデミックがやってくる? トランプ新政権の対応で米国に不安広がる(シェリーめぐみ/在米ジャーナリスト)

鳥インフルのパンデミックの恐れが…

【ニューヨークからお届けします】

 アメリカでは鳥インフルの影響で卵の価格が驚きの高騰を見せています。同時に他の家畜やペット、人にも感染が広がり、新たなパンデミックへの懸念が高まっています。

 現在流行しているのは鳥インフルエンザA(H5N1)で、全米の鶏卵業者を直撃し、既に数千万羽の鶏を廃棄したとみられています。これを受けてカリフォルニア州では非常事態を宣言したほどです。

 その深刻さに市民が気付いたのは、卵の価格の急激な高騰です。コロナ後のインフレで1ダース700円くらいまで上がった卵価格は、一時は300円くらいまで下がっていたのが、現在ニューヨークのスーパーでは再び、1ダース700〜800円、高いところでは1500円という店もあるほどです。

 加えて専門家の間では、コロナに続くパンデミックの恐れが語られています。去年、鳥インフルは鳥類だけでなく、乳牛にも感染が広がりました。さらにはペットの猫、そして人間にも感染するケースが目立ち始めています。2023年の鳥インフル感染者は67人にのぼり、2022年の1人に比べ激増していることがわかります。今年に入って初めての死者も出ました。

 人への感染は、殺菌していない生乳を飲んだり、死んだ鳥や家畜に触れたことが原因とされ、人間同士の感染はまだ確認されていません。しかし専門家の中には、ウイルスが突然変異を起こせば、いつ人から人への感染が始まってもおかしくはないと警告する声もあります。

 不安に輪をかけているのがトランプ新政権の対応です。CDC米疾病予防管理センターに対し広報活動の一時停止を命じたため、これを書いている1月末現在、CDCのウェブサイトには鳥インフルに関する最新情報は掲載されていません。こうしたコミュニケーションの遅れが被害を広げるのではないかと、強く懸念されています。

 鶏や乳牛などを飼う農場では多くの不法移民が働いています。彼らが強制送還を恐れて体調が悪いことを隠したり、雇い主に対し防護服の支給を求められないこともあると推測されます。こうした状況も、感染の広がりにつながるのではないかと指摘されています。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)

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