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高市自民圧勝をブーストした「期日前投票」の功罪 過去最多“2701万人超”が利用、票を投じた半数近く

日刊ゲンダイDIGITAL / 2026年2月14日 10時35分

自民党は高市首相の広告を大々的に展開。結果、イメージ先行型の選挙に戦略勝ち(C)日刊ゲンダイ

 先の衆院選で戦後最多316議席を獲得した高市自民党。実はどのメディアも指摘していない「歴史的圧勝」の要因がある。こちらも史上最多となった「期日前投票」の利用者数だ。

 期日前投票を利用した全国の有権者数は今回2701万人超。実に全有権者の26.1%に上る。今回の投票率(小選挙区)は56.26%。実際に票を投じた人の半数近くが、投票日の前に済ませていた計算となる。

 期日前投票は2003年の公職選挙法改正で新設された。

 以前は何かと不便な「不在者投票」しかなかったが、期日前投票は仕事やレジャー、冠婚葬祭など投票日の当日に投票できない理由を「宣誓書」に記入するだけで、あとは普通の投票と変わらない。

 この簡易さ、行ける・行きたい時に投票可能なオンデマンド化が受け、すっかり定着した。利用者数は05年衆院選896万人、09年衆院選1398万人と国政選挙のたびに増え、17年衆院選で初めて2000万人を突破。今回は前回24年の衆院選よりも約606万人も増加した。

イメージ戦略に左右された超短期判断

 期日前投票には投票率の下落傾向を押しとどめるプラス効果がある一方、負の側面もある。早期に投票する人ほど、政策の中身を吟味せず、候補者や所属政党のイメージに左右されやすい点だ。

 ましてや、今回は高市首相の抜き打ち解散から、投開票まで戦後最短の16日しかなかった。

「有権者から各政党の政策を比較・検討する『熟慮の時間』を奪ったも同然。その傾向をブーストさせたのが、期日前投票の増加と言えます」と、早大名誉教授の水島朝穂氏(憲法)はこう言う。

「高市首相はあえて真冬の総選挙を仕掛け、投票日の当日は全国的に大雪予報。期日前投票が増える環境は整っていました。さらに超短期の投票判断を迫られ、雰囲気や印象の影響が強まった上、近年の選挙は動画配信やSNSが主戦場。それこそイメージ戦略がモノを言う世界です。自民党は今回、高市首相のネット広告を大量に流し、1億5000万回以上も再生された。公選法では選挙ビラの枚数など平等性を厳しく定めながら、政党のネット広告は野放し。資金力に勝る自民党が圧倒的に有利です」

 今回は選挙終盤に安住淳氏や小沢一郎氏ら中道改革連合の大物候補が劣勢を受け、応援行脚から慌てて地元に入った。しかし、ほぼ半数の有権者が期日前に投票を済ませていたのなら、終盤の巻き返しは「時すでに遅し」と言うしかない。

「今後も期日前投票の利用者は増え続け、序盤・中盤・終盤に分けた古い選挙は通じなくなる。とはいえ、理性よりも感情が優先されるイメージ先行型の選挙は危うい。ナチスのプロパガンダを想起させます。少なくとも政党のネット広告の総量規制は検討すべきですが、圧勝与党に不利な改定を望むべくもないのでしょう」(水島朝穂氏)

 日本の民主主義はどんどん歪められていく。

  ◇  ◇  ◇

 高市自民が圧勝した衆院選の裏側は【もっと読む】『高市自民が「内部留保200億円」で仕掛けた“SNS金満選挙” 超短期決戦でメッセージ動画再生回数1億5000万超の異常』で処方している。

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