捕獲不正は尻尾で防げても…鳥獣被害対策はイタチごっこ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年9月14日 9時26分

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ハイイロオオカミ(提供写真)

 イノシシやシカなど野生鳥獣が田畑を荒らす農作物被害。それに乗じた不正が相次いでいる。捕獲頭数を水増しする補助金詐取だ。

 イノシシやシカを捕獲した場合、1頭につき農水省から最大8000円が交付されるが、これとは別に市町村が上乗せする場合も多い。鹿児島県霧島市では2013~16年度のイノシシやシカ、カラスなどの捕獲偽装の不正受給申請は29人の計241万円。兵庫県佐用町の猟師2人も14~16年度の事業で計44万円を不正受給していた。

 手口はこうだ。

「1頭のイノシシの角度を変えて写真を数枚撮り、複数頭分を申請するなどの事例がありました。また、市町村によって捕獲を確認する部位が違うため、1頭を複数申請する不正も考えられ、確認する部位をシッポに統一する方向で検討しています」(農水省・鳥獣対策室)

 例えば、シカの捕獲確認をA町ではシッポ、B町では下あごで確認するとなると、1頭で複数申請できる。1頭に1本しかないシッポに統一すれば、水増しを防げるというわけだ。

 再び日本でオオカミを山林に放ち、シカやイノシシを駆除するという構想を検討している武貞誉裕添田町議(福岡県)がこう言う。

「不正は良くないことだし、対策も必要。シッポに統一すれば、水増し防止には効果があるでしょうが、根本的な解決になっていません。捕獲は、労力、経費の割に、報酬が少なく割に合うものではない。それも不正が起きる要因でしょう。そういう捕獲に頼っている限り、いつまで経っても鳥獣被害は解決しない。対症療法的な対応にしか見えません」

 イノシシやシカが増えるのは、天敵オオカミが不在だから。日本では100年以上前に絶滅している。オオカミを山林に放ち、シカやイノシシを駆除できた成功例が海外ではあるという。日本でも真剣に検討すべきかもしれない。

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