札幌“大暴れ弁護士”の正体 タクシー会社には全国から激励

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年11月15日 9時26分

写真

ススキノで乗車(C)日刊ゲンダイ

「あの弁護士は絶対に許しちゃいけない」「示談には応じないでください」「徹底的にやるべきです」

 “事件”がメディアで大きく報じられると、被害に遭った運転手(68)が勤務するタクシー会社には、全国各地から電話やメールでこんな激励の声が多数寄せられたという。

 今月6日夜、タクシーの運転手が乗客に罵詈雑言を浴びせられ、防護板を壊された一件。9日、暴行をはたらいた男が札幌弁護士会所属の弁護士(37)だと分かると、ネット上を中心にますますヒートアップした。

 トラブルのあらましはこうだ。午後11時30分ごろ、札幌市中央区のススキノでタクシーに乗車した弁護士は行き先を告げると、スマートフォンをいじり始めた。ところが数分後、突然「(行き先は)北3東5ですけど、この道でいいんですか?」とキレかけたため、運転手は「すみません。間違えました。北3東7だと思って」と謝罪。すると「東7でも通らないですよ、この道。東7でも通らねぇよ。どうなってるんだ、おい。通るわけねえんだよ。ふざけんな」と激高。

 さらに「おい、なめんなよ、てめえ。ふざけんな、こら。おい、おい」と怒鳴りながら運転席を10回以上蹴り続け、割れた防護板が運転手の頭を直撃した。「やめてください」と恐怖におののく運転手に対し、「おい。止めろ、どういう意味でやったんだ、おまえ。出せ。こんなカスに金ないわ」と捨てゼリフを残して、運賃990円を支払わずに車を降りた。そして進行方向に歩き、振り向きざまにタクシーを目がけ、スマホを投げつけたのだ。

 弁護士という立場にありながら、30歳以上も年が離れた年配者に対してする行為ではない。タクシー会社は「暴力は絶対にいけない。うやむやにするつもりはない」と徹底抗戦の構え。被害額は14万円に上り、8日に警察に被害届を提出。近々、器物損壊の疑いで書類送検する方針だ。

「運転手は『かなり怖かった』と言っていました。弁護士側から示談の話はありませんし、あったとしても応じるつもりはありません。しかるべき処分を望みます。示談で和解ではなく、これだけの損害があるので、それを支払ってください、ということです」(タクシー会社担当者)

 弁護士は国立大の法学部を卒業後、同大学院1年の時に司法試験に合格。一時、東京の弁護士事務所に勤務したこともある。

「主にベンチャー企業の設立や育成、投資、上場支援、M&Aなどを業務にしています。北海道から九州まで全国に顧客を持っていて、本人も民間企業の代表取締役を兼任するほどのやり手で、弁護士会の要職にも就いていました」(法曹関係者)

 本人に話を聞こうと事務所に問い合わせしたところ、電話口に出た女性は「(弁護士は)外出中です。こちらの件に関してはお答えすることができかねます。取材はお断りさせていただいております」と、ニベもなかった。

 弁護士の山口宏氏は「所属の弁護士会によりますが」と前置きしてこう言う。

「センセーショナルに報道されて社会的な影響は大きいですが、せいぜい2、3カ月、長くて1年程度の業務停止処分ではないか。懲戒委員会と個人的関係にある、つまり、“お友達”だと処分が甘くなり、敵対関係にあると厳しくなる可能性もあります」

 それでは世間は納得いかない。

日刊ゲンダイDIGITAL

トピックスRSS

ランキング