「中距離女王」が涙の銀…高木美帆が頂点を逃した要因

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年2月13日 12時35分

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日の丸を掲げ歓声に応える高木(C)JMPA

 スピードスケートの高木美帆(23)が、12日の女子1500メートルで1分54秒55をマークして銀メダルを獲得。この種目の日本勢では、92年アルベールビル大会銅の橋本聖子以来26年ぶりのメダルで、女子史上最高位だ。

 世界記録保持者(1分50秒85)のヘザー・ベルフスマ(28)と最終14組で滑走した高木は、アウトコースからスタートし、先行する相手をピタリとマーク。最終4コーナーでかわすと、最後のストレートで振り切った。

 今季W杯で4戦負けなし。優勝候補に挙げられながら表彰台の真ん中に立てなかった高木は「五輪の舞台に立ってみて、金メダルを取れなかったのは悔しい気持ちがこみ上げてきた」と悔しそうな表情を見せた。

 オランダ勢による2大会連続表彰台独占を阻止したものの、冬季五輪最多タイとなる10個目のメダルを獲得したイレイン・ブスト(31=オランダ)の後塵を拝した。今季、「中距離女王」と持ち上げられた高木はなぜ、金メダルを逃したのか。

■金メダルのブストと“経験値の差”

 01年世界ジュニア選手権覇者で、10年バンクーバー五輪代表の土井槙悟氏は「高木選手にとってはアウトコースでスタートし、最後のバックストレートで追う理想的なレース展開でした」とこう続ける。

「今の実力をいかんなく発揮し、平地ではベストに近いレースだったと思います。予定していた通りのラップタイムを刻めたはずです。実力はブスト選手に決して引けを取りませんが、タイムを上回ることができなかったのは、強いて挙げれば経験値の差が出たのではないでしょうか」

 この日のブストはコースを変更するクロスの際、相手選手とタイミングが合わずに、速度が低下。その後は巻き返して最後までペースダウンすることなくフィニッシュした。

「レース中にアクシデントがあると、大半の選手は動揺し、力んでタイムが伸びないケースは少なくありませんが、ブスト選手はこれまでの経験から、平然と滑っていました。今季のブスト選手は故障もあってW杯序盤は振るわなかったものの、五輪に合わせてしっかりと調整してきた。ここ一番の爆発力も高木選手が持ち合わせていないものでしょう」(土井氏)

 高木は五輪初出場となった2010年バンクーバー大会1000メートル35位、1500メートルで23位。前回ソチ大会は代表落ちし、今回が2度目の五輪だった。確かに経験値では分が悪い。今後の1000メートル、団体追い抜きでは期待通りの結果を残せるか。

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