米の対北方針転換を否定 安倍首相「圧力で一致」の怪しさ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年2月14日 15時5分

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この2人こそ綿密に摺り合せ(ペンス米副大統領と文在寅韓国大統領)(C)AP

 ペンス米副大統領が米ワシントン・ポストのコラムニストによるインタビューで、南北対話の進展次第で前提条件なく直接対話を行う用意があるとの見解を示したという一件。だとすると米国の大きな“方針転換”だが、13日の衆院本会議で安倍首相は、「ペンス氏とは平昌でも綿密に擦り合わせており、圧力を最大限まで高める方針で完全に一致している」と答弁し、米の方針転換の可能性を否定した。

 河野外相もきのうの会見で「日米韓は極めて緊密に圧力最大化を続けることで連携している。政策変更はない」と強調。外務省幹部も「米政府の方針は変わっていない」と言う。が、ここまで関係者が揃って即座に否定すると逆に怪しい。韓国に続き、米国にまでハシゴを外されてはたまらないと強がっているのではないのか。

 確かにペンスは訪韓中、レセプションでも着座せず、対北で強硬路線だった。しかし米紙の取材はインタビューである。“政府高官”などの匿名コメントではない。「取材したコラムニストは外交関係の情報源も多い特ダネ記者。オンレコですから相当、自信を持って書いているはず」というのは、国際ジャーナリストの春名幹男氏。こう続ける。

「ペンス氏は韓国滞在中、文在寅大統領と2度会談し、トランプ大統領とは毎日電話していた。金与正氏との南北会談で訪朝要請があるだろうことを予想し、米韓で事前に打ち合わせもしていたでしょう。ペンス氏が文氏の説得に応じる『重大な進展』があったということですが、文氏が米朝戦争を避けるため、必死に知恵を出したのではないか。もちろん北朝鮮との対話については、トランプ氏自身が同意しているのかがポイントになりますが、新しい局面展開の可能性が出てきました」

 もともと、マティス国防長官、ティラーソン国務長官、安全保障担当のマクマスター補佐官の3人は、「基本的に軍事オプションの選択肢は取らない」でほぼ一致しているという。つまり対話もアリということだ。

「日本政府は米政府の本音を掴み切れていないのではないか。分からないから、ともかく『圧力で一致』と言い続けているというのが実情でしょう」(春名幹男氏)

 国連関係者は「圧力は交渉に引っ張り出すためのもので、米国はそれが分かっているが、安倍政権は理解していないのではないか」と心配しているらしい。やっぱり安倍首相だけズレているんじゃないのか。

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