役職退任は否定 日大アメフト内田監督に“院政支配”の懸念

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年5月22日 9時26分

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頭は下げたものの…(C)共同通信社

 これで幕引き、とはいきそうにない。

 試合中の悪質なタックルで相手選手を負傷させた問題で、日大アメフト部の内田正人監督(62)がついに辞任を表明したが、むしろ批判と不満の声が高まっている。

 内田監督と日大関係者は19日に、被害を受けた関学大の選手と保護者、首脳陣に直接謝罪。その後、初めて報道陣の取材に応じたものの、前代未聞の悪質プレーが誰の指示によるものなのか、問題の核心については最後まで言及を避けた。“監督の指示があった”とする部員らの証言、それに基づく報道などを「いろいろな臆測」とし、「心外だ」と不快感をあらわにする始末だ。

 まるで自分が、拡大する騒動の被害者とも言いたげで、取材中には相手の「関西学院(かんせいがくいん)」を何度も「かんさいがくいん」と発音。余りに希薄な当事者意識で怒りとひんしゅくを買った。

 ラフプレーに至る背景や真実が解明されなければ、選手の安全が担保されないとし、日大との対戦を拒否しているライバル大学の指導者らが、口を揃えて「内田監督が辞めても問題の解決にならない」と言っているのも当然である。

■コーチ刷新は「考えていない」

 彼らの危惧はずばり、内田監督の院政だ。内田監督は辞任を表明する一方、15人以上いるコーチの刷新については「考えていない」と明言し、全員を残留させる意向。また、自身が人事担当の常務理事や保健体育審議会局長などの要職に就く大学内での役職を退く可能性に関しても、「それは違う問題」と否定した。

 内田監督は理事長の側近で、大学内の人事と運動部の予算の権限を握っている。日大という国内最大級の学校法人で絶大な力を持ち、内部では「独裁者」とも呼ばれている内田監督がその座にとどまれば、今回の騒動で露見した日大アメフト部の専制的な体質は改善しないに等しい。

 ましてや、コーチは全員残留となれば、周囲が疑念を抱くのも仕方がないだろう。問題のプレーがあった試合では、悪質な反則を繰り返して退場処分になった当該選手に対し、監督はもちろんコーチも一切、注意をしなかったという。それどころか、「相手を潰してこい」との監督の指示を、試合前日と直前にコーチがわざわざ当該選手に念を押したとする証言もある。コーチも監督の言いなりとあれば、院政の疑念はいよいよ深まる。

 内田監督が騒動発覚から2週間もダンマリを決め込み、逃げ回っていたことが問題を大きくし、日大のイメージを失墜させた。それでいて、「それは違う問題」と学内の要職には居座り、影響力を残そうとする傲慢さには、誰もが呆れ返っている。

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