激化する自民党「内部抗争」田畑“ゲス”議員の離党で火に油

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年2月23日 9時26分

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地元県連は辞職要求(左は離党した田畑毅議員)(C)共同通信社

 元交際女性から準強制性交容疑の告訴状を愛知県警に出された田畑毅衆院議員(46)がついに離党だ。自民党は21日、党紀委員会を開いて離党届の受理を決めた。世論の反発を考えたら離党だけでは済みそうにないが、この事件を巡り、自民党内で内部抗争が激化している。何が起きているのか。

 酔って寝ている女性を強姦し、中出しする様子を盗撮という語るもおぞましい卑劣な行為で刑事告訴された田畑氏。政治家以前に、人として許されるものではない。

「4月の統一地方選や夏の参院選への影響を考えたら、一刻も早く切り捨てた方がいい。党内からも議員辞職を求める声が上がっています。卑劣な行為は創価学会婦人部は到底、許容できる話ではないし、除名でもなく離党という大甘処分で済ませたら、一般の女性票も離れかねない。ただ、二階派の田畑氏が議員辞職すると、比例で繰り上げ当選になるのが岸田派の吉川赳元衆院議員ということが問題をややこしくしています」(自民党中堅議員)

 吉川氏は静岡5区の支部長だが、ここは無所属のまま二階派入りした細野豪志元環境相の選挙区でもあり、競合するのだ。二階派と岸田派の対立激化は必至。ここへきて、自民党の内部抗争が一気に表面化してきた感がある。

「責任者として本当に申し訳なく思っている」――。党紀委に先立って開かれた派閥会合で二階幹事長はこう陳謝したが、田畑氏が15日に離党届を提出した直後には、記者会見で「離党届を私は受け取っていないし、(田畑氏の)様子を聞いたこともない」と不快感をあらわにしていた。

■事件の背後に官邸と二階幹事長の対立か

「あれは田畑議員ではなく、官邸に対しての不快感ですよ」と、二階派関係者がこう言う。 

「国会議員が警察沙汰を起こせば、県警は間違いなく“上”に情報を上げる。警察庁や官邸には、昨年のクリスマスイブに田畑氏が事件を起こして警察が駆けつけた直後に報告があったはずです。しかし、田畑氏が離党届を出すまで幹事長には知らされていなかった。官邸に不信感を抱くのは当然でしょう。総理に近いジャーナリストの暴行疑惑は揉み消しても、田畑氏の件は放置したのか。もし、いち早く事情を把握していれば事態の悪化を防げたかもしれないのです。今回の一件で官邸との亀裂は深まりました」

 きのうの衆院予算委に二階派の桜田五輪相が遅刻したのは、予算審議を遅らせて官邸を困らせる目的の“意趣返し”なんて噂も流れたほどだ。

 会期中は不逮捕特権があるものの、もし通常国会が終わった直後に田畑氏が逮捕・起訴されたら、参院選はもう目の前。大甘処分で強姦事件にフタをした自民党への逆風が予想される。すでに田畑氏の地元の地方議員から議員辞職を促す声が上がっていて、愛知県連会長の藤川政人参院議員は21日、党紀委の山東昭子委員長に辞職要求の上申書を手渡した。この2人はともに麻生派だ。

 その麻生派と二階派も、福岡県知事選の分裂選挙で確執を抱えている。二階派が支援する現職をさしおき、安倍首相の鶴の一声で、麻生財務相が擁立した新人を推薦することが決まったからだ。

「田畑議員の事件が官邸と二階幹事長の対立という構図で語られたり、党内抗争があちこちで勃発しているのは、長期政権のひずみでしょう。盤石に見える安倍自民も、実態はガタガタで瓦解寸前なのかもしれません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏) 

 破廉恥議員ひとり辞めさせることもできないほどガバナンスが利いていないようでは、有権者から愛想を尽かされるのは時間の問題だ。

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