【日本球界 米ドラ1獲得の全内幕・下】下位指名確実の米大学4年生が日本に行きたがっている

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年5月26日 9時26分

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ストラスバーグ(左)は2009年にドラフト史上最高となる4年1510万ドルで契約した(C)ゲッティ=共同&ロイター=共同

【日本球界 米ドラ1獲得の全内幕】(下)

■最下位指名はたった10万円

 昨年の全米ドラフト1巡目(全体8位)のカーター・スチュワート(19)がソフトバンクと契約合意したことで、早くも米国のアマ選手が日本行きに興味を示しているという。米在住のジャーナリストが言う。

「スチュワートの日本行きを知った複数の大学4年生が『日本の方が金を稼げるのか? 俺もぜひ行ってみたいよ』と言っている。彼らは下位指名が確実視されている。かつてのストラスバーグ(ナショナルズ)のような逸材ならまだしも、大学4年生は6月のドラフトで指名されなければ、独立リーグやメキシコなど海外でのプレーを強いられる。メジャー球団は彼らの足元を見て、下位で安く買い叩いているのが実情です。スチュワートが成功すれば新たな潮流が生まれるでしょう」

 前回、2012年以降のドラフトで契約金に制限が設けられたことに触れた。2巡目でも後半の指名なら100万ドル(約1・1億円)に満たないケースがあり、4巡目、5巡目ともなると50万ドル(約5500万円)なら御の字。下位になるにつれ、契約金は急激に少なくなる。昨年のメジャー全体最下位(1204位)でツインズから40巡目指名を受けた外野手のタイラー・ウェブ(23)は1000ドル(約11万円)にすぎなかった。さらに入団後2~3年はマイナー暮らしが続く。給料は月額1000~2000ドル程度(約22万円=遠征中のミールマネーを除く)で、しかも支給されるのは半年間のみ。日本の育成選手(最低保障年俸240万円)以下だ。

「スチュワートのような大物は異例としても、下位指名選手なら3年100万ドルで喜んで日本に来るでしょう。日本で経験を積み、フリーエージェントになれば、大型メジャー契約を勝ち取ることも夢ではない。すでにドミニカの若い選手が日本で活躍しているように、日本球界にとってもメリットは大きい。トウの立った助っ人選手の半分は失敗に終わる。一方で学生のように若ければ若いほど貪欲で、環境への適応力も高いはずです」(前出のジャーナリスト)

 実際、さるセ球団関係者はこう言っている。

「若い選手は育成選手として様子を見ることができる。3A選手の助っ人に1億円払うよりもリスクは低いし、若いうちにポスティングでメジャーに売ることができれば、給料をペイするどころか、巨額の譲渡金を得ることができるかもしれない」

 日本球界が米国のアマ選手を獲得するためには、スカウティングが重要になる。日本の駐米スカウトは、基本的にプロの選手を調査している。ただでさえ米国には膨大な選手がいる。

 米国にはボラス氏のような優秀なエージェントがゴマンといるとはいえ、アマ球界までカバーすることは難しい。日本にアマ担当スカウトがいるように、米国でもアマ専門のスカウトを採用し、アマ球界での人脈やコネを構築する必要も出てくるだろう。

 ソフトバンクの次に動く日本の球団はどこか。

(おわり)

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