令和最初の「夏の甲子園」ベンチから漏れてきた裏情報

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年8月21日 9時26分

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大会の裏側で…(C)日刊ゲンダイ

■球場のスカウトが気をもむ神奈川“三拍子”遊撃手の動向

「今年の甲子園は不作を超えた凶作。この状態が続くとしたら、ゾッとする」

 12球団のスカウトがこう口を揃える。

 17日の智弁和歌山戦で14回を投げ抜き、23奪三振の快投を見せた星稜の右腕・奥川恭伸が飛び抜けた存在感を見せているが、それ以外の甲子園組となると、「確実に2位以内に入ってくる上位候補は皆無。来年、明石商の右腕・中森俊介ら2年生に期待するしかないね。特に野手は壊滅状態さ」と、セの球団幹部は顔を曇らせる。

 そこへいくと夏の甲子園には出場していないものの、プロが熱視線を送る野手がいる。桐蔭学園(神奈川)の遊撃手・森敬斗だ。

 遠投120メートルの強肩、50メートル5秒8の脚力、さらに昨秋関東大会で3本塁打のパンチ力もある。春のセンバツは1回戦で敗退するも、複数のスカウトが「175センチ、68キロと体は決して大きくないが、抜群の野球センスの持ち主。将来的には走攻守三拍子揃った遊撃手になれる逸材です。広島の小園(報徳学園)と似たタイプで、中日の根尾(大阪桐蔭)より足が速くて守りもいい。打撃もクセがない。潜在能力は根尾より上かもしれない」とみている。

 春から夏にかけて、各球団が高校生野手の評価を洗い直した結果、森の評価が急上昇。中でも熱視線を送っているのが西武だという。神奈川大会には、潮崎編成グループディレクターら5人体制で視察に訪れたほどだ。

「大学進学かプロ入りかで迷っていたが、ここにきて本人がプロ入りに傾いているといいます。佐々木(大船渡)、奥川、森下(明大)の1位指名は重複するでしょうから、センバツの優勝投手ながら野手としてプロ入りする東邦(愛知)の石川とともに、外れ1位で消えるでしょう」と、前出のセ球団幹部はみている。

■今年も早大人気は健在

 関東甲信越から出場した高校の外野手に、早くも合格の内々定が出ているという。

 大学野球の名門・早大のことだ。

 かつては「13番目のプロ球団」といわれたくらい。全国から逸材を獲得してきたが、東京六大学では平成27年の秋以降、優勝から遠ざかっている。

「六大学のライバル校が、高校3年になる前に合格通知を出す一方で、早大はスポーツ推薦の合否決定が遅い。さらに、昨年度から入試のシステムが変わり、書類選考では高校時代の内申点が重視されるようになった。大学のスポーツ科学部が実施するトップアスリート入試で、野球部員がゼロという年もある。推薦で獲得した選手が伸び悩むケースもあり、以前よりも選手集めが難しくなっているのです」(早大OB)

 それでも高校球児の人気は高い。冒頭の外野手に加え、センバツに出場した中部地区の遊撃手もすでに内定。大阪の強豪校の投手は明大の誘いを断ってまで、早大入りを希望。年に複数回ある選考で落ちたものの、今も合格をあきらめていないとか。「習志野のエース・飯塚も早大を狙っていると聞いた」とは放送関係者だ。

■進化する金属バットの功罪

「打者は評価しづらいね。技術はもちろん、大したパワーがない割に、打球がメチャクチャ飛ぶんだから」

 パのベテランスカウトがこうボヤいた。

 今夏の甲子園は、とにかく点が入る。9日には仙台育英(宮城)が飯山(長野)相手に20―1で勝つと、16日には作新学院(栃木)が岡山学芸館(岡山)に18―0で大差勝ち。13日には、智弁和歌山(和歌山)が明徳義塾(高知)戦で大会タイ記録の1イニング3本塁打をマークした。

 冒頭のスカウトは「プロ野球で使えなくなった飛ぶボールでも使っているんじゃないの?」と、冗談を交えてこう言った。

「何より『飛ぶバット』が大きいよ。性能は昔よりも格段に向上した。金属の素材が良くなり、さらに薄く壊れやすくなった半面、反発力が増して、こすった打球でも外野の頭を越えたり、スタンドインしたりする。これがひいては上体に頼った力任せの『金属打ち』に拍車を掛けている。プロ入り後に伸び悩む高校生は、金属打ちが染みついているから。米国の高校では、あえて飛ばない金属バットを使って、技術向上を図っている。高校野球も、木製バットを導入する時期に来ているのではないか」

■レギュラーに練習をボイコットさせて就任した伝統校監督

 高校野球の監督といえば、かつては「やりたい職業」のベスト3に入ったほど。それが伝統校ならなおさら。地方では名士扱いされることもあるだけに、なり手はゴマンといるらしい。今回の出場校の監督の中には、前任者の足を思い切り引っ張って、その座を射止めた人もいる。

「地方の伝統校の監督ですよ」と、さるマスコミ関係者がこう言った。

「もともとコーチだったのですが、前監督の力になるどころか、部員を利用してやいばを向けた。主要なレギュラーメンバー数人に練習をボイコットさせたのです。これが前監督にとって大きなダメージとなった」

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