選手村は100点満点中70点 無難すぎるデザインがすでに陳腐

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年8月25日 9時26分

写真

インフラが心配(C)日刊ゲンダイ

【東京五輪会場を丸裸にする】#6 選手村

 本来ならお祭りムードの「おもてなし」イメージで盛り上がるはずの五輪選手村だが、キナ臭い話が満載である。五輪選手を招待した一時宿泊所を五輪後に分譲住宅として販売するという。五輪特別セールなのか、都有地が市場価格の9割引きという破格の値段で払い下げられたことにうさんくささを禁じ得ない。さらに、この開発はディベロッパーにとって、五輪宿泊施設の貸し出し賃料をもらった上で民間分譲するという“1粒で3度おいしい”破格の計画なのだ。

●将来性=16点

 施設維持費というよりも、この街区の価値の維持可能性といったほうがいいだろう。そもそも、晴海地区では、公共交通機関の慢性的な不足が問題視されてきた。五輪の時だけバスやタクシーの増発で対応したとしても、その後に公共交通機関が充実するかどうか、はっきりしていないのは不安である。

●デザイン=17点

 五輪の選手村ということで、本来なら現代の最先端デザインや機能を盛り込み、居住空間の斬新さを全世界にアピールする機会だったはず。しかし、五輪後の一般分譲を意識してか、無難過ぎるデザインに終始しており、既に陳腐化してしまっている。

●アスリート目線=19点

 大会中の一時とはいえ、世界中のアスリートがこの地区に集まる。諸外国の多くの客が宿泊するのだから、アメニティー対応だけでなく、競技への準備をフォローする体制に加えて、日本的なものを随所に感じさせて欲しかった。

●周辺との融和性=18点

 臨海部の先端に位置するため、インフラ整備だけでなく、街区の自立性や個性といったものを表せるかどうかが鍵となる。「HARUMI FLAG」というキャッチフレーズだけでは、具体性を欠いており、街全体を統合する力に欠けているのではないか。

■総合評価=70点

(森山高至/建築エコノミスト)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング