米中貿易戦争激化か 電鉄やガス「安心安全」内需株に注目

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年10月11日 9時26分

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トランプ米大統領はどう出るか(C)ロイター

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 米国が離脱した環太平洋経済連携協定(TPP11)が2018年12月に発効、政府は実質国内総生産(GDP)を約1・49%増加させるとした。19年2月発効の日本・欧州連合(EU)の経済連携協定(日EU・EPA)はGDPを約0・99%増加させるとし、これらでアベノミクスの「成長戦略」を推進とした。

 また、9月25日に最終合意した日米貿易協定は、米国に農業分野を開放したことで、国内農家の収穫(売り上げ)減を招く公算がある。無論、国内総生産の中核は大企業であり「成長戦略」は、その売上高が増加とのシナリオである。

 しかし、日銀短観9月調査(19年度の前提ドル円レート1ドル=108・68円)では、大企業の業況判断(DI)は「最近」「先行き」ともに前回6月調査から下方改定され、事業環境の悪化を予想。19年度の大企業業績計画は、前年度比で減収、経常減益、最終減益とされ、減益幅も前回調査より拡大、自由貿易圏拡大の好影響は見られない。

「安全」な自由貿易推進でGDP拡大のシナリオは綻び始めている。また、米中貿易戦争による輸出停滞もある。トランプ大統領は対中制裁関税の税率引き上げを10月15日に実施する予定だ。米中貿易協議は行われているが、協議難航、対中関税拡大となれば、米中関係は悪化し、日銀短観12月調査の業況判断なども「安心」できまい。

 米国の景気先行指標のISM製造業景況指数の9月分は、47・8と09年6月以来の低水準に落ち込んだ。市場関係者は、10月、12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連続利下げを予想し始めた。2回の利下げで0・5ポイント以上引き下げられれば、日米金利差縮小による円高となり、企業業績の下振れ要因になる。

 このような情勢下では、投資対象は内需株、それも「安全安心」の電力が定石だが、東電の代替だった関電は不祥事で企業ガバナンスが問われている。当面、電力以外の公益株として電鉄、情報通信、ガスに注目だ。

 ただ、「安全安心」をモットーに「買い上がり」ではなく「押し目狙い」に徹したい。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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