【ラグビーW杯】日本ラグビー協会に内紛…ジョセフHC続投に“慎重論”噴出で大迷走

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年10月23日 10時55分

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南ア戦に敗れた直後は笑顔を見せていたジョセフHCだが…(C)日刊ゲンダイ

「日本人のスポーツへの熱意があれば、間違いなく前進できる。これまでやってきたことを継続すれば、若手も育ってくるし、ステップアップは可能だ」

 20日の準々決勝で日本を下した南アフリカのマット・プラウドフット・アシスタントコーチが、日本ラグビーの将来性をこう持ち上げた。2015年にトップリーグの神戸製鋼でフォワードコーチを務めた同氏は「(日本は)今回、自分たちが信じるものができたと思う。今までやってきたことを変えずにやることが重要だ」とアドバイスしたのだが、肝心要の日本ラグビー協会が迷走し始めた。

 この日までに、続投が既定路線とされていた日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=49)の去就問題が浮上。事情に詳しいラグビー関係者が言う。

「日本が大金星を挙げたアイルランド戦後、協会のナンバー2である清宮(克幸)副会長が、『結論はとっくに出ている。(続投以外に)選択肢はない』とジョセフHCの続投を支持。森重隆会長も『代える理由がない。他の名前が出てきたらぶっ飛ばしてやる』とこれに呼応した。史上初の8強入りを決めたこともあり、16日の理事会で続投が承認される運びだったのですが、そこで一部の強化委員や理事から慎重論が出たのです」

■アタックコーチの退任が遠因に

 8強進出を実現したとはいえ、協会内の一部には実は当初からジョセフHCの手腕を疑問視する声があったという。

「今大会での快進撃もアタックコーチのトニー・ブラウンの功績によるものという意見です。そのブラウンはW杯前に母国ニュージーランド協会への復帰が決まり、日本代表を去ることになった。日本代表の戦術、戦略面を担当していたのは主にブラウンで、ジョセフHCの担当はラインアウトなどのごく一部。チームをまとめたという実績は評価できても、ブラウンという参謀を失うジョセフHCにさらなる代表の強化が可能なのか。そこに不安を抱く一部関係者が、次期監督候補として神戸製鋼のウェイン・スミス総監督に接触したことが露見し、ジョセフHCも態度を硬化させたという構図です」(同)

 ジョセフHCの手腕に対する評価が分かれているところへ、協会内の主導権争いも加わった。

 マスコミ関係者が言う。

「今年6月に日本協会は新会長に森重隆、副会長には清宮克幸の両氏を据えるなど人事を刷新。W杯開幕前に、23年仏大会に向けた強化に早々と乗り出すためだったが、中には異例の大抜擢ともいえる人事もあったため、協会内では反発も少なくない。現体制に反感を抱く一部の幹部が新たな人選に動いているのです」

 日本代表のHC人事といえば、協会の不手際から前回15年大会で初の3勝に導いたエディー・ジョーンズ現イングランドHCの囲い込みに失敗した“前科”がある。

 今回もジョセフHCとの契約延長に失敗すれば、結果を残した指揮官が2人続けて日本を去ることになる。HCの人選に紛糾し、代表強化がないがしろにされるのであれば、日本のラグビーは再び暗黒時代に逆戻りしかねない。

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