沖縄米軍基地で大規模クラスター “米国コロナ”蔓延危機も安倍政権見て見ぬふり

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年7月14日 9時26分

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コロナの感染源に(普天間基地)/(C)共同通信社

 深刻な事態だ。在日米軍基地でクラスター(感染者集団)が発生している。沖縄県は12日までに、普天間基地(宜野湾市)とキャンプ・ハンセン(金武町など)で、米軍関係者62人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。玉城知事は「報告内容に衝撃を受けた。米軍の感染防止策に強い疑念を抱かざるを得ない」と憤ったが、日米地位協定により米軍は日本のコントロール外となっている。このままでは、日本は「在日米軍基地」発の“第2波”に襲われる恐れがある。安倍首相は手をこまねいている場合ではない。

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 わずか6日間で62人の大規模クラスター。本来なら徹底的な調査や検査を行う必要があるが、いったい、どんな状況なのか、日本国民は知る術がない状態だ。当初、米軍は感染者数の公表すら拒否していた。

 宜野湾市の住民が言う。

「7月4日の米国の独立記念日前後に米軍関係者が夜の繁華街やビーチでパーティーをしていたとか、6月と7月に県内中部で大規模なバーべキュー大会が開かれたとの情報はあります。しかし、県が求めても、米軍は感染者の行動歴を公開しようとしません。どうやって感染したのか、日本人とも接触したのかもわからない。不安でなりません」

 日本政府は米国からの入国を拒否しているが、米軍基地への入国は対象外。日米地位協定により、在日米軍基地には検疫法など国内法も適用されない。不平等協定を放置してきたツケがコロナ禍で回ってきた格好だ。

 玉城知事は米軍に対し情報開示や合同会議を求め、孤軍奮闘しているが、安倍政権は見て見ぬふりだ。

武漢型と比べ「3~5倍の感染力」

 毎年5~8月は米軍の人事異動期で、数千人規模が日本に出入りする。米国本土からウイルスが次々と運ばれ、市中でバラまかれる恐れがある。加えて、恐ろしいのが米国で流行しているウイルスの感染力の強さだ。新型コロナウイルスは変異を繰り返し、感染力を強め、アジアとはケタ違いの大流行を欧米にもたらしたとされる。

 欧米型ウイルスについて、米ロスアラモス国立研究所は、当初の武漢型と比べ「3~5倍の感染力がある」との研究結果を発表した。実際、米国では1日当たり6万人超の新たな感染が続き、連日過去最多を更新している。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。

「米国で流行しているウイルスは感染力が強いだけでなく、毒性が強いとの指摘もあります。アジアでは確認されていないのに、欧米では全身の血管に炎症が起こる『川崎病』に似た症状が報告されています。米国のウイルスが米軍基地経由で日本に流入することは避けなければならない。地位協定があるとしても、在日米軍基地や国内での感染を防ぐために、日米両政府が協力して対応すべきです。そもそも軍隊は感染病には極めてナーバス。あっと言う間に部隊に蔓延してしまいますからね。感染は是が非でも早期に収束させたいはずです。日本が協力を求めれば、米軍もむげな扱いはしないでしょう」

 米軍コロナは沖縄だけの問題ではない。日本には78の米軍専用基地があり、日米共同使用の自衛隊基地を含めれば128の基地がある。千歳(北海道)、三沢(青森)、横田(東京)、横須賀(神奈川)、富士(静岡)、岩国(山口)、佐世保(長崎)……。米海軍厚木基地では11日までに、基地内での複数の米軍関係者の感染が確認されている。

 国民の命を守るために、安倍首相はすぐに米軍に対し情報開示を求めるべきだ。

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