ピーチ機が緊急着陸…マスク拒否男性乗客の大きすぎる代償

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年9月12日 9時26分

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ピーチ・アビエーション機(C)日刊ゲンダイ

「やれるもんならやってみろ!」

 マスク着用を拒否した男性は、「安全阻害行為」の警告書を出すと告げた客室乗務員(CA)をこう挑発。臨時着陸した新潟空港で機内からつまみ出された。

 7日昼すぎ、北海道釧路空港を発った関西空港行きのピーチ・アビエーション機で、乗客の男性がマスクの着用を拒否し、機内で大声を上げて他の乗客と揉め、CAを威嚇した。

 きっかけは、男性が別の乗客から「何でマスクをしていないのか」と声を掛けられ、言い争いになったこと。ネット上では男性と乗務員のやりとりがアップされている。

 男性はCAからマスクを着用するか、席の移動を求められると、「券はちゃんと持っているわけですから、問題はないはずです」と反論。CAが「周りのお客さんが気にされています。1列空いているところがあるので」と頭を下げても「席の移動はしません」と応じず、「乗務員の指示に従わない場合はそのまま降りて下さい」という通告にも、「それは無理です」と頑として動かなかった。

 結局、周囲の乗客を別の席へ移動させ、43分遅れで出発した。離陸後も男性は他の乗客と口論となり、乗務員に対しても「非科学的だ」「要請するなら文書を出せ」と恫喝し、ワーワー騒ぎ続けたため、機長が「安全阻害行為」と判断。乗務員を通じて警告書を手渡し、男性は機長の命令に応じて新潟空港で降り、目的地まで自費で移動するハメになった。機内には124人が乗っていて、約2時間15分遅れで関西空港に到着した。

■同社は法的手段を検討

 乗り合わせた客や航空会社にとっては、迷惑な話だ。同社の広報担当者に「法的手段は検討しているのか」と尋ねた。

「あらゆる可能性や選択肢を検討しています。一般的に考えても、臨時着陸となると余計な経費がかかります。皆さんにマスクの着用をお願いして、お持ちでない方にはお渡ししています。健康上の理由などで着用できない方は席を移動していただくとか、柔軟に対応しています」

 同社は損害賠償をいくら請求でき、男性はどんな罪に問われるのか。

 山口宏弁護士がこう説明する。

「東京~大阪間を飛行する場合、大体400万~500万円の経費がかかります。釧路からなら、少なくともその倍です。日本の損害賠償はあくまで実損害をカバーするという考えです。今回の場合、新潟空港へ着陸時と離陸時の燃料代が余計にかかり、上昇時にはより多くの燃料が必要になります。空港着陸料、施設使用料、機体整備費、新潟空港のスタッフの人件費などを考えれば、ざっと1000万円近くいくのではないか。刑事では航空法違反にあたる可能性があり、威力業務妨害罪も成立します」

 マスクを拒否しただけで、ネット上で顔をさらされ、罪に問われ、とんでもない代償を払うことになりそうだ。

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