東京五輪“ワクチン割り込み接種”で開催目指すIOCの狂気

日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年1月9日 9時26分

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新型ウイルスワクチンを接種する米国のバイデン次期大統領(C)ロイター

「オリンピック」といえば、何でも許されると思っているのだろう。

 国際オリンピック委員会(IOC)の古参委員であるディック・パウンド氏(カナダ)は、コロナ禍での東京五輪開催のため、「選手は優先的にワクチンを接種されるべきと主張した」と、6日の英スカイニュース(電子版)が報じた。

 パウンド氏は「それぞれの国で決めることで、接種を待つ列への割り込みという人もいるだろうが、五輪開催のためには最も現実的な方法だと思う」と語ったのだが、世界中でそんなことを望んでいる者がどれだけいるか。

 感染拡大が止まらない欧米諸国だけではない。例えば、五輪開催都市の東京は7日、新規感染者が過去最多の2447人を記録。同日には東京と近隣3県(神奈川、千葉、埼玉)に新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令が決まった。東京は五輪開幕の約半年前だというのに感染爆発を起こしており、医療崩壊も始まっている。政府はワクチン接種を医療従事者や高齢者らに優先する方針だが、日本は欧米諸国より接種開始が大幅に遅れ、2月下旬からを目指している。「どうしても五輪を開催したいので選手には優先的にワクチンを打たせてくれ」といっても、誰が耳を傾けるというのか。国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏が呆れ顔でこう言う。

■IOCの本音ともとれる発言

「この発言にはびっくりしました。IOCのおごりもここに極まれり、です。おそらく半年後もコロナで苦しんでいる人は世界中にいるでしょう。この日発令された緊急事態宣言は今後、1都3県以外にも出るでしょうから、国内のコロナ倒産や解雇もますます増える。コロナ対応に追われる医療現場はとっくに限界を超えている。そんな状況にあって、ワクチンを優先的に接種した選手が五輪で戦う姿を見たいと望んだり、彼らを見て感動したりできますか。組織委員会は五輪開催のために5000人を超える医療従事者を集める計画だが、コロナ対応で逼迫している医療現場から、五輪のために医者や看護師らを出せるわけがない。パウンド委員の発言は個人の考えではなく、IOCの本音ともとれる。商業五輪の存続、つまりはカネのためならどんなことでもしようとするIOCは、まさにスポーツマフィアですよ」

 パウンド氏といえば、昨年2月、「(東京五輪は)1年延期も不可能ではない」との見解を示し、IOCのバッハ会長は延期や中止説の火消しに躍起になったが、3月下旬にはパウンド氏の言う「1年延期」が決まった。

 今回の「五輪選手のワクチン割り込み接種」も実現するのか。

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