伊集院光が証明し続ける 人間の想像力こそ最大のエンタメ【今週グサッときた名言珍言】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年3月28日 9時26分

ラジオの申し子(C)日刊ゲンダイ
【今週グサッときた名言珍言】
「ラジオはね、イケメンって言っときゃ大丈夫だからね」(伊集院光/フジテレビ「ちびまる子ちゃん」3月14日放送)
◇ ◇ ◇
アニメ「ちびまる子ちゃん」でラジオ番組という設定の中、伊集院光本人役に声をあてた伊集院光(53)とまる子(TARAKO)の奇妙な対談が実現した。その冒頭でまる子が「いや、なかなかイケメンさんですよ」と伊集院を評したのに対し、返したセリフが今週の言葉だ。
伊集院がラジオを聴き始めたのは、10歳くらいの頃。5歳上の兄がラジオを布団をかぶってイヤホンで聴いていた。毎晩、布団の中で笑っている不気味な声が聞こえ、お兄ちゃん、どうかしちゃったのかと思い、ある日布団をめくったらラジオを聴いていた。それで一緒に聴くようになったそうだ。
「欽ちゃんのドンといってみよう!」(ニッポン放送)が好きで、読まれたくてハガキを出していたが採用されなかった。「毎回自分より面白い、どっかに住んでる人のが読まれてて、すっごい悔しかったり、そういう人を尊敬したり」していた(「ちびまる子ちゃん」3月14日放送)。
もともと「伊集院光」という芸名は、三遊亭楽太郎(現・円楽)の弟子だった頃、師匠に無断でラジオに出ることになったため、それがバレないように自分の風貌から最もかけ離れた名前として付けたものだ。ラジオは声と名前、語彙といった限られた情報から想像するしかないメディア。そこから、どんな風貌なのか、リスナーごとに想像できるというのも大きな楽しみのひとつだ。伊集院はラジオをやっているときの快感について、次のような例を出して説明している。
「松の木におじやぶつけたみたいな不細工な顔の女」(フジテレビ「僕らの音楽」08年12月12日)
その言葉を聴いた時に思い描く顔は一人一人違う。映像が使えないから、想像を働かせなければならない。けれどその分、自由度が高いのだ。そんな想像力を使った遊びで、かつて伊集院がラジオ番組で生み出したのが「芳賀ゆい」という名の架空アイドルだ。
「歯がゆい」という言葉がアイドルっぽいという話になったのをきっかけに、そのプロフィルをみんなで考えようと伊集院が悪ノリを始めると、リスナーから大量のハガキが届いた。やがて、実在しないのに写真集やCDも発売され、「握手会」まで開催。集まった2000人のファンはカーテン越しに、誰だか分からない手と握手をしていったのだ。さらに「芳賀ゆいのオールナイトニッポン」として番組まで作られた。
伊集院は人間の想像力こそが最大のエンターテインメントであることを証明し続けている。
(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)
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