新世代盗作問題 3Dプリンターに頭を悩ませるハリウッド
GIGAMEN / 2015年7月26日 18時30分
超大人気映画シリーズ「スターウォーズ」。その最新作である「フォースの覚醒」も大きな話題となっており、映画本編だけでなくその中に登場するキャラクターやアイテムのレプリカもまた大きな市場となっている。
本来このようなレプリカは正しく著作権を持った企業と、その企業とライセンス契約を結んだ者のみが制作し販売することができる。だが、最近になって特に工場などを持たない者でも、精巧なレプリカを作成できる環境が整ってしまったのだ。
3Dプリンタとネットで大儲け
セントルイスに住むケン・ランドラムは「フォースの覚醒」の予告編を見ただけで精巧な宇宙銃のレプリカを作成してしまった。必要だった機材はパソコンと3Dプリンタだけである。
彼の作ったレプリカはネット上でたくさんの注目を浴びた。そして彼の元にはレプリカをプリントアウトするためのデータファイルを有料で欲しがる人たちが殺到したのだ。ケン・ランドラムの作成したレプリカは正規品が発売される5ヶ月も前に誕生していた。
新たな海賊版に頭を悩ませる映画業界
ハリウッドは海賊版DVDなどで長年著作権関連の問題には頭を悩ませていた。そして3Dプリンタの登場によって今度はDVDだけでなく、関連アイテムや玩具にまで何らかの対策を講ずる必要が出てきたのだ。
3Dプリンタを持つこと自体は何ら違法ではないし、3Dプリンタを使って個人それぞれが「何か」を印刷することは現実的にチェックしようがない。「何か」をプリントアウトするためのデータはオンライン上でやり取りされてしまうため、これを摘発するのも極めて困難である。
3Dプリンタ技術の進歩はハリウッドに大きなダメージを与える可能性を孕んでいる。
物の価値が下がればデフレに
3Dプリンタの登場により人間の欲望と大量生産技術の進歩との戦いはより激化することだろう。欲が勝れば物を手に入れるのに人はお金を惜しまない。つまりお金の価値が下がるわけでインフレになる。
逆に生産技術の進歩が勝れば底コストで高品質の物が手に入るようになり既存の物の価値は下落する。これはお金の価値が上がることと同義でありデフレである。
3Dプリンタによる盗作問題は単に著作権絡みの問題だけで済まない。ユーザーとメーカーがイコールで結ばれてしまえば産業のあり方自体に変革が訪れることになる。
情報関連産業ではインターネットやコンピューターの発展により既に変革は進んでいる。これからは3Dプリンタを筆頭に物理的な産業でも大規模なパラダイムシフトが起きるのだろう。
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