【スタイリストのトレンド座談会】ランウェイから選抜した「リアルに使える」テクニック
GISELe / 2022年2月27日 21時50分
GISELe(ジゼル)スタイリストたちが、膨大なコレクションルックの中から見いだした今季の傾向を総まとめ。「シンプルの延長で考えられる新しさ」を色や素材、着方など、キーワード別に解説!
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TALK ROOM
スタイリストがねらう「目新しさ」とは?
渡邉さん:やっぱりまずは色。ソフトな発色のものから、目を引くフレッシュカラーまで各ブランドからたくさん出ていました。 出口さん:ベージュ感覚でとり入れられて、ベージュの服とも相性のいいペールイエローが豊富でした。
樋口さん:JIL SANDERの柔和なイエローの重ね着は、女性らしくてとくにステキだなと。 塚田さん:今季はグリーンもあたり年。TODSのルックからもわかるように、グリーンは大人っぽくとり入れやすい色。黒と使えば、派手になりにくいのでオススメです。
レザーパンツとの異素材MIXにより、ペールイエローをイメージどおりやさしく着ない意外性に惹かれました。(塚田さん) きちんと感のあるコートに強気なピアスを合わせたメリハリのつけ方もステキ。リップもヌーディだと服がいっそう引き立ちます。(樋口さん)
ミニ丈なのに幼く見えないのは、ヴィヴィッドなグリーンに大人っぽさが漂うから。服とバッグの色をそろえるテクニックにも注目。どちらもグリーンにしたことで、一体感と風合いの違いによる抑揚が生まれ、奥行きのあるスタイルになると思います。(塚田さん)
出口さん:新しい肌見せバランスも今季のカギといえそう。実際はおなかを見せて着なくても、少し短丈なだけでワイドボトムとのバランスがとりやすくなるし、肩がしっかりのぞくアメスリトップスはそれだけで「シンプル以上」になりますよね。
渡邉さん:これまでの肌見せといえば、Vネックや背中開きがメインで、どちらかというとセンシュアルな印象でしたが、最近よく見るのはあからさまな感じがなく上品というか。Max Maraのようにベージュなどのやさしい色で試すと、よりキレイめな仕上がりに。
そでをまくったり短丈のインナーでおなかをちら見せしたり。肌感をアクセントに、やさしい色に緊張感を与える新バランスに注目。(渡邉さん) セットアップ=マニッシュなものが多い中、淑女なミニスカートとのツーピースがまた新鮮に感じました。(出口さん)
岩田さん:全員一致で選んだMIU MIUの2も、首元はつまっていてきちんと感があるのに、おなかがちらっと見えている。このアンバランス感も新鮮味をもたらすポイントですよね。 渡邉さん:「腰ばき」のHITは、今年ちらほらささやかれていますよね。
塚田さん:90年代リバイバルのようなローライズのパンツ、個人的にもかなり気になっていました……! 岩田さん:「腰ばき」が復活の傾向。ニット+シャツという、ふつうの重ね着も、ローライズボトムというだけで抜けが出て、かわいらしさが増す。
樋口さん:私が好きなMIU MIUの3のルックもそうですが、白シャツ+シンプルなハーフパンツという、王道すぎる感じも一周して新しい。 岩田さん:ちょっとした丈の違いやインナーの見せ方で、ベーシックな服でも新鮮味が得られるんだという気づきがありました。小技の利かせ方が参考になる。
1.2.ジャケットのそで口から長めにニットをのぞかせたり、中に着たシャツよりコンパクトなニットを重ねたり。微妙にズラした着方だけで新鮮に見せているところにハッとさせられました。(岩田さん) 3.シャツとチノパンに、黒・グレー・ブラウンの小物を足し算。あれこれ飾っているのに、すべて定番色だからトゥーマッチにならず上品。(樋口さん)
STYLIST TEAM
渡邉恵子さん:実際の着用感まで想像の行き届いた提案に支持が集まる。選ばれるアイテムは実用性とスタイルアップの強みを兼ねるものばかり。
樋口かほりさん:トレンドに流されないシンプルな服を基調としながら、新しさを感じさせるシルエット選びが得意。大人に適した甘さのさじ加減も絶妙。
岩田槙子さん:女性らしさが引き立つ形とデザインの選定に定評あり。着まわし企画を担当することも多く、シーンレスな服選びにも長けている。
出口奈津子さん:リラックスして着られる服が定番。力を抜きつつ、ラフにならず都会的に見えるディテールや素材の選択に、審美眼とこだわりが光る。
塚田綾子さん:ベーシックな装いに、色や小物でさりげなくスパイスを加える絶妙なバランス感覚の持ち主。大人がとり入れやすいトレンドも熟知。
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