感染すると脳炎を起こし死に至りうるウイルス「EEEV」を媒介する蚊が増加するかも:フロリダ発

GIZMODO / 2019年8月1日 16時0分

190801_virus Image: Fred Murphy, Sylvia Whitfield (CDC)

カユいだけでも厄介なのに!!

フロリダ州保健局の職員によりますと、非常に危険なウイルスを媒介する蚊が今年も発見されてしまったのだそうです。ありがたいことにまだ珍しいそうですが。

今月、フロリダ州オレンジ郡の保健局が出した公開勧告の文書には、「州内で“東部ウマ脳炎ウイルス(EEEV)”と呼ばれるウイルスが見つかった」と記していますが、これが問題の蚊が媒介するものです。深刻な脳損傷を引き起こし、罹患した人間の最大1/3の命を奪う可能性を持っています。

殺人ウイルスEEEV

EEEVは、米国内の温暖な地域に生息する蚊など、いくつかの種類の蚊によって広がる可能性を持っています。EEEVに感染した人はインフルエンザにかかったかのような症状を訴えるようになります。その内5%が、名義上「脳炎」と呼ばれる深刻な脳の腫れを引き起こします。この腫れは頭痛、眠気、痙攣、昏睡などを引き起こし、最悪の場合、発症から2日後には死に至ることもあるのです。

とても恐ろしいウイルスですが、我々にとっての救いとしては、EEEVは今のところ滅多に人間に感染することがないというところ。主にこの病気を広める媒介種(昆虫)は、都市から離れた沼沢地に生息する傾向があります。また、EEEVは感染者の体内で十分に複製されません。そのため、蚊を媒介とした感染ループが成立しません。人間はEEEVにとっての袋小路と言えます。

米国疾病管理予防センターによりますと、アメリカでは毎年平均して7件の罹患が確認されており、2018年は6件だったとあります。

発見にはニワトリが使われる

フロリダはEEEVが発生する州のひとつして知られており、ほかにもマサチューセッツ、ニューヨーク、それからノースキャロライナも挙げられます。

アメリカの保険当局と研究者たちは、蚊を媒介とするEEEVや西ナイルウイルスを見つけるため、炭鉱で使うカナリアと同じようにニワトリ小屋を使います。彼らは蚊が発生し風土病が流行する地域に小屋を設置し、定期的に血液検査を行なうのです。

そして保健局より、そうした「見張り番と呼ばれるニワトリたちから病原菌が検出された」と通達され、以下のように勧告が出されることとなりました。

同じ小屋にいる何羽かの見張り番ニワトリが、東部ウマ脳炎に感染し陽性と出ました。これにより、ヒトへの感染リスクが増加しています

気候変動で増加する可能性大

だからといって、今すぐパニックになる必要はありません。ですがEEEVや西ナイルウイルスは、気候変動が進むにつれ、米国内での発生頻度が高まることは間違いないように思われます。また、EEEVに対する適切な処置やワクチンがないのが現状です。

恐ろしくもまだ珍しいこの病は、気候変動の影響を受けているそのた多くの事柄と同様に、そう遠くない未来にもっと多くの人間たちに被害を与えるようになるかもしれません。

蚊から身を守るには

蚊に刺されるリスクを減らしたいひとは、自分自身と着ている服に虫除けを使うべきです。保健当局のお勧めはディート、イカリジン、レモンユーカリ油、P-メンタン-3,8-ジオール、IR3535などで作られた忌避剤が効果的とのことです。また蚊の多い地域で作業をする人たちには、長袖と長ズボンの着用が効果的かもしれません。

そして家の外で溜まった水はボウフラが湧くので掃除したり、プールの水を綺麗に保つのも一助になります。一番良いのは、遺伝子操作で蚊を完全に撲滅することなのでしょうけどね。

Source: CDC (1, 2)
Reference: Wikipedia

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